DVDでは、古い同名タイトル映画などと区別するため「ジェーン・バーキン in メランコリー・ベビー」と改題された。
ストーリー:
独身時代は翻訳家として働いていたオルガ(ジェーン・バーキン)は夫ローラン(フランソワ・ブークラー)と、スイス・ルガノ湖畔の大邸宅に暮らしていた。
ある日、夫が開いたパーティに、彼の仕事仲間のピエール(ジャン・ルイ・トランティニャン)か招待客としてやって来た。ピエールに魅かれたオルガは、数日後、彼の家を訪れる。そこで彼の友人、クロード(ジャン・リュック・ビドー)と出会う。失業中の身である彼とオルガは湖畔のレストランで食事をし、ダンスを踊る。
奔放に振る舞うオルガは、レストランの若いウェイターをデートに誘ったり、ピエールにも愛を告げるが、優しくかわされる。人生に希望を失っているクロードの言葉を聞くうちに、彼女は今の自分が本当の自分でないことに気づいていく。
オルガは、自分を理解してくれない夫と家庭を後にして、初めて自分で車のハンドルを握り、全く新しい世界へと旅立っていくのだった(映画.comより)。
裕福で何不自由ない暮らしだが、他人と接することがほとんどないスイス湖畔の静かな生活に耐えられず、自分の生き方、目的などを見失った主人公が、新たにスタートする姿が女流監督によって描かれている。
映画は静かな音楽と、それほど起伏もなく淡々と描かれる。
世間の人とほとんど交流がなく、夫がたまに仕事仲間を家に連れてくるが、仕事の話ばかりでオルガにとっては退屈極まりない日常。夫は、まったく妻の鬱積した孤独感や心情をまったく理解していない。そのことを話しても、意見は食い違い溝は深まるばかり。
ラストで車で給油のためガソリンスタンドに立ち寄るが、夫が車から降りて、給油を頼みに行ったすきに、助手席からハンドル席に移って、妻が車で走り出す・・・。ほう、そうきたか、というような幕切れだった。
映画「サタデー・ナイトフィーバー」(1977)の後ディスコブームがあったが、ディスコ、踊り、失業、職安(ハローワーク)といった70年代後半の世相なども描かれ興味深い。
ジェーン・バーキンは、作曲家のジョン・バリーと結婚後離婚し、のちにセルジュ・ゲンスブールと結婚(ゲンスブールは、3度目の結婚。)ゲンスブールのDVなどが原因で離婚するが和解し、ゲンスブールが病死するまで交流があった。
2011年、日本の東日本大震災の発生を受けて、ジェーンは4月6日という早い段階で来日・震災支援のチャリティーコンサートを行った。「ジェーン・バーキン震災復興支援コンサート Together for Japan」と銘うたれ、多数の日本の芸能人・アーティストとともに詩の朗読や代表曲「無造作紳士」などの披露を行った。
ジェーン・バーキンの日本公開作品 :(見たのは5本)
「太陽が知っている」 - La piscine(1969)★★
「スローガン」 Slogan(1969)
「ガラスの墓標」(1969)★★
「女の望遠鏡(マドモアゼル à GO GO)」 Trop jolies pour être honnêtes(1972)
「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」 Je t'aime moi non plus(1975)
「ナイル殺人事件」 Death on the Nile(1978)★★
「メランコリー・ベビー」 Melancholy Baby(1979)★★
「エゴン・シーレ/愛欲と陶酔の日々」(1980)
「地中海殺人事件」 Evil under the Sun(1982)
「ラ・ピラート 」La Pirate(1984)
「右側に気をつけろ」 Soigne ta droite(1987)
「カンフー・マスター!」 Kung-Fu master(1987)
「アニエスv.によるジェーン」b.Jane B. par Agnès V.(1987)
「美しき諍い女」 La Belle noiseuse. Divertimento(1991)
「シャンヌのパリ、そしてアメリカ」 A Soldier's Daughter Never Cries(1998)
「アニエスの浜辺」 Les Plages d'Agnès(2008)
「ジェーン・バーキンのサーカス・ストーリー」36 Vues du Pic Saint-Loup(2009)(映画祭上映時邦題:小さな山のまわりで)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:クリックお願いします♪。