「カリガリ博士」(1920)を見たが、かつて見た「イントレランス」(1916)を除けば、これまで見た映画で一番古い部類の映画か。もちろん、サイレント映画。チャップリンの「街の灯」が10年後の1930年作。
「カリガリ博士」というタイトルだけは知っていたが、この映画が、サスペンス映画の10本セットの中に入っていたのだが、半年以上も見ずにいた。その中のサスペンスの名作「第三の男」と「オーソン・ウエルズのストレンジャー」は、海を越えて、guchさんの手元に送らせてもらった。
「第三の男」はguchさんが記事にしている:
アイスのガリガリ君しか知らないという人も、機会があれば、こういう古い名作もお勧め。こんな古い映画でも、最後に、どんでん返しがあって、面白い。
「カリガリ博士」(原題:Das Kabinett des Doktor Caligari、カリガリ博士の箱=眠り男がその中で眠る箱)。箱というのは、棺桶のようなもの。あるいは見世物やサーカスなどで、人間が入っている箱。二人の男が話をしているところから始まる。一人の男が、こんな恐ろしいことがあったと・・・ほとんどが回想シーン。
昔、カリガリという人物が書物を残していて、それが真実かどうか実験をしようという男の話。オランダ国境に近い北ドイツ、カリガリ博士(クラウス)は眠り男ツェザーレの予言を看板にした見世物をカーニバルに出している。
友人アランを連れ、その小屋を覗いたフランシス。友人は調子にのって自分がいつまで生きられるかを眠り男に尋ねるが、答えは“明日の朝まで!”。
本当に彼は翌日には殺されており、フランシスは疑惑究明に乗り出すことに・・・。
話の強烈さに検閲の目を恐れた製作者が、強引に主人公を狂人に仕立てるプロローグとエピローグをねじ込んだが、返って夢魔的様相は深まったとされる。
ドイツ表現主義を世界に知らしめた画期的な作品といわれている。
ホラー的な要素と、サスペンスを混ぜて、90年以上前に作られた作品とは思えない。
映画的にも、のちのヒッチコックに大きな影響を与えたといわれている。
美術も、歪んだセット美術が使用されている。テント、柱、ドア、壁、煙突、屋根などがすべて平衡感覚が狂った状態で描かれており、床が水平でないこともある。また、白と黒のコントラストが多用され、照明もそれを強調している。幻想的なシーンを際立たせている。
一度は見て置きたい古典的な映画だ。
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