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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ヘルプ 心がつなぐストーリー」(2011、公開2012 )

 
 
 ヘルプ 心がつなぐストーリー」(2011)は、気になっていた映画の1本で、ようやく見たが、これはおすすめ!
 
キャスリン・ストケットの実話ベースの全米ベストセラー「The Help」を映画化したヒューマン・ドラマ。昨年のアカデミー賞でも候補作品として話題になり、助演女優賞オクタビア・スペンサー)を受賞している。劇場公開は3月だった。
 



      右がミニー(オクタビア・スペンサー)アカデミー賞助演女優賞受賞
 
 なかなか感動的な映画だった。
人種差別意識が根強く残る1960年代のアメリカ南部ミシシッピー州
黒人であるというだけで差別されたアメリカの南部。勇気ある行動で世の中に大きな波紋を投げかけた作家志望の若い白人女性とメイドとして働く黒人女性たちとの友情の軌跡を描いている。
 
ヘルプ」というのは、黒人のメイドのこと。
 
白人の裕福な家庭のメイドとして、自分の子供はさておいても、白人のベビーシッターで生計を立て、子供がメイドになついても、成長すると、また、母親と同じようにメイドを雇っていく。メイドが白人と同じトイレを利用することは許されず、「Colors」(黒人専用)を利用しなければならない。白人用トイレを使ったという理由だけで、クビになったメイドもいた。
 
”黒人の地位向上になるような扇動行為はしてはならない”と厳しく戒められ、病院でも、白人の患者に対して黒人の看護婦をつけてはならないという決まりもあった。
 
メイドが「子供から、どうして、顔の色が黒いの?と聞かれたので、コーヒーを飲みすぎたから」と答えて、黒人同士で笑うシーンもあるが・・・。
  

      真実を伝えようとメイドたちを取材するスキーター(エマ・ストーン
 
 そんな中、ミシシッピー州ジャクソンの上流階級に生まれ、黒人メイドに育てられた白人女性スキーター(エマ・ストーン)。当たり前のように黒人のメイドたちに囲まれて育ったが、大人になり白人社会に置かれたメイドたちの立場に疑問を抱きはじめる。作家志望のスキーターは大学卒業後、地元の新聞社で家事に関するコラムの代筆を担当することになった。
 
しかし家事に疎い彼女は、友人宅のベテラン黒人メイド、エイビリーンに相談する。話を聞くうち、彼女たちが置かれた立場に違和感を覚え始める。
そして、黒人メイドたちの証言を集めて本にしようと思い立つ。
 
ところがエイビリーンは、黒人が真実を口にするようなことがあれば、この町では生きていけなくなると、取材を頑なに拒否するのだが・・・。

誰もが口を閉ざすばかりだったが、ひとりのメイドがインタビューに応じたことから、社会全体を巻き込んだ大きな事態へと進展していく。中でも、メイドのミニーは、白人の奥様に我慢ができず、ついには反撃に出る。
 
クソ・く・ら・え!」(Eat my shit!)のメイドの言葉に「正気か?」と目を白黒させるのだが、クソくらえの中身が、ホンモノの○○であったらしく、これを食べたから、奥様にないがしろにされているその母親は、拍手喝采、笑いが止まらない…というシーンも。
 
時代背景は、公民権運動が活発になるころ。KKK(クー・クラックス・クラン白人至上主義を唱える秘密結社)や、1963年11月のケネディ大統領暗殺のニュースがテレビに登場する。タクシーも「白人専用」と書いてあった。
 

白人の上流社会の黒人蔑視の姿勢や、メイドの苦しみなどを丁寧に描いていて、味わいがある。映画の中の曲もいい。
 
ミシシッピーの人種差別関連では、ジーン・ハックマン主演の「ミシシッピー・バーニング」(1988)が強烈だった。こちらもおすすめ。
 
 
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