「バラキ」(1972)The Valachi Papers
マフィア映画では、家族と組織を描いて大ヒットした映画史にも燦然と輝く「ゴッドファーザー」(1972)があるが、実録ものとしては、この「バラキ」(1972)も注目された。
1970年代初めは、チャールズ・ブロンソンが、アクション映画で活躍していた時代で、ブロンソンとしては珍しい「静」の演技で、トレードマークのひげもなく、少々違和感があったが熱演していた。監督は、007シリーズの第1作~3作目やブロンソンとは、「夜の訪問者」「レッド・サン」とコンビを組んだテレンス・ヤング。
急に「バラキ」を紹介したのは、先週、ラジオを聴いていたら、この映画のバラキから名前をとったという大相撲力士が間もなく誕生するという話が出ていたからである。
その力士は、18歳の伊藤爆羅騎(バラキ)君だ。
親もすごい名前を付けるものだ。
身長が高校時代は160センチで、力士の最低条件は167センチ。
前日の計測で165センチまでになっていたが、わずか足りず髪の毛をガシガシに固めて、姿勢を思いっきり伸ばして(笑)、ぎりぎりセーフになったという。
バラキという力士が出てきたら、映画「バラキ」を思い出してください♪(笑)
映画「バラキ」の映画化が持ち上がった時には、モデルとなったマフィアの大物が、獄中で存命だったことから、映画の制作会社が、二の足を踏んでいたのだが、二人の人物が獄中で亡くなったのを受け、製作に取り掛かったのだという。
マフィアの一員、ジョゼフ・バラキによって語られた“影の政府”の正体を克明に描いたピーター・マーズのベスト・セラーの映画化。
製作は、かのイタリアの大物プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティス、監督は「レッド・サン」のテレンス・ヤング。
出演はチャールズ・ブロンソン、リノ・ヴァンチュラ、ジル・アイアランド、アンジェロ・インファンティ、フレッド・バレカ、ジョゼフ・ワイズマン、ワルター・キアーリ、アメディオ・ナザーリ、ファウスト・トッツィ、サビーヌ・スンなど。
ジョゼフ・バラキ(チャールズ・ブロンソン)は同房の囚人を鉄パイプで殴り殺した。
バラキの驚ろくべき告白が始まる序章であった。その日以前から、彼は刑務所内で命を狙われていることに気づいており、看守に独房に入れてくれるよう頼んだが無駄だった。
ジェノベーゼ自身の指令によって、バラキは命を狙われていたのだ。しかし、その日バラキが殺した男は誰とも関係ない人間だった。彼は自責の念と、彼のボスであり、絶対の権力者であるジェノベーゼに対する復讐の念から、彼が所属していた組織“コーザ・ノストラ”の秘密を係官ライアンに話し始めたのだった。1904年、ハーレムで生まれたバラキは不良少年としてシンシン刑務所にぶち込まれ、そこでトニー・ベンダーとドミニク・ペトリリ(W・キャリ)と知りあい、ファミリーの一つマランツァーノ(ジョセフ・ワイズマン)一家の一員となった・・・(Gooより)。
この映画では、バラキの証言により、オメルタ(沈黙の掟)から始まるコーサ・ノストラ(ギャング組織)入会から出世、逃亡、そして当局に保護されるまでを描くことで、ラッキー・ルチアーノなど、実名で登場する本物のマフィア、コーサ・ノストラの歴史・実態が解りやすく忠実に再現されたことで、意義があるものとなった。
実録という点では、リアルだったが、娯楽映画としてみると「ゴッドファーザー」の総てにおいて完ぺきという映画に軍配が上がる。
テレンス・ヤングの主な監督作品:
007 ドクター・ノオ - Dr.No (1962) ☆☆☆
007 ロシアより愛をこめて - From Russia with Love (1963) ☆☆☆☆
007 サンダーボール作戦 - Thunderball (1965) ★★
暗くなるまで待って - Wait Untile Dark (1967) ☆☆☆☆
うたかたの恋 - Mayerling (1968) ★★
クリスマス・ツリー - The Christmas Tree (1969) ★★
夜の訪問者 - Cold Sweat (1970) ★★
レッド・サン - Red Sun (1971) ☆☆☆
バラキ - Valachi (1972) ★★
アマゾネス - The Amazones (1973) ★
クランスマン - The Klansman (1974) ★
華麗なる相続人 - Bloodline (1979) ★★
インチョン! - Inchon! (1982)
(Riz Ortolani, 1925年3月25日ー2014年1月23日)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています: クリックお願いします♪。