「ゆれる」 (2006)予告編
「ゆれる」(2006)を見た。数年前に話題になっていた映画だ。
(Gyao動画で配信中)。
自分が見た「友人が殺人を犯す」という悪夢から着想したという。
第59回カンヌ国際映画祭監督週間正式出品作品。
優れた演出力が高く評価され、多くの映画賞を受賞し、2006年度の日本映画における最も高い評価を得た作品の一つとなった。出演者では、今や演技派俳優のトップクラスの香川照之とオダギリジョーが兄弟役で熱演。真木よう子のデビュー作(23歳)でもあった。
兄弟の揺れる心理描写と、法廷での裁判模様が描かれる。
故郷を離れ、東京で写真家として活躍する弟・猛(オダギリジョー)。その弟が久しぶりに母親の法事で帰省し、兄・稔が切り盛りする実家のガソリンスタンドで働く昔の恋人・智恵子(真木よう子)と再会する。智恵子が、猛を見たときの表情は、うれしさ・懐かしさというよりも何か複雑な思いがよぎっているような印象。かつての別れ方がすっきりしていなかったのか。
猛と智恵子は一夜を共に過ごし、翌日、兄弟と智恵子の3人で渓谷へ遊びに行く。
その時、近くにいたのは稔だけだった。事故だったのか、事件なのか? 裁判が進むにつれ兄をかばう猛の心はゆれ、そして証言台に立ち最後に選択した行為とは・・・。
吊り橋での事故(事件)のシーンが繰り返し映し出される。
その都度、ちがった映像となって…。真実は、どうだったのか?
兄をかばおうとした弟だが、途中から、態度を変え、兄に
不利な証言をしていく。無実だとしたら、7年間の収監は長い。
7年後、兄弟は再会する。
兄のあの、微笑みの意味するところは・・・。
観客に「ゆれる」心を残す映画だった。
一筋縄ではいかない監督だ!
監督・原案・脚本:西川美和
出演:
早川猛(弟):オダギリジョー
早川稔(兄):香川照之
早川勇(父):伊武雅刀
岡島洋平:新井浩文
川端智恵子:真木よう子
丸尾明人検察官:木村祐一
船木警部補:ピエール瀧
裁判官:田口トモロヲ
早川修弁護士(勇の兄):蟹江敬三
2006年度キネマ旬報ベスト・テン
日本映画ベスト・テン第2位
第49回ブルーリボン賞
監督賞:(西川美和)
第30回日本アカデミー賞
優秀主演男優賞:(オダギリジョー)
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