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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">ドラマ「闇金ウシジマくん」(第1話‐8話)一気に見る。映画の「予習」。</span>


ドラマ「闇金ウシジマくん」予告映像
 

 
 
8月25日公開が始まった映画「闇金ウシジマくん」のTVドラマが、昨日、今日の昼までの24時間の間だけ無料動画Gyaoで放送されていたので、第1話~第8話(最終回)まで一挙に見た。1話25分の短い時間だが、”かっぱえびせん”状態だったので、連続して数時間見てしまった。
 
テーマは暗いが内容が面白く、最後には救いがあって、映画を見る前の”予習”としては見てよかった。
 
 
主演の山田孝之(28)は、「シーサイド・モーテル」などはアクの強い役柄で、印象に残るが、ほかの映画では、やや平凡という印象だった。しかし、この「闇金ウシジマくん」は凄味があり、適役だ。
 
1990年代の初めごろからか、バブルの崩壊後で、街には、消費者金融サラ金)の看板が、あふれていた。当時の長者番付の上位Top10には、消費者金融の社長が軒並み名を連ねていた。金融業といっても、一般から見れば特殊な世界で、できれば関わりたくない業界だ。その業界も、法定金利以上の高金利で貸し付けたことから、今では、過払い分の差額を返還できるということで、過去に完済した人でも、10年以内なら申請で返還してもらえるなどという広告がかまびすしい。ただ、すでに最大手の会社、○富士が倒産に追い込まれたほか、大半は銀行系の傘下に収まって、消費者金融も通常の銀行のローンのような「隠れ蓑」のような形に変貌している。
 
そうした中で、あらゆるサラ金から融資を断られ、なかには、ブラックリストに名前が登録されている、いわゆる多重債務者が激増。そうした多重債務者の弱みに付け込んで、「トサン」(10日で3割の利子)、「トゴ」(10日で5割の利子)という法律違反の暴利でカネを貸す「闇金」が、はびこった。ドラマでは、再三、「闇金は犯罪です」というテロップが登場する。
  
このドラマは、弱みを持った人間や、取れるところからお金をむしり取るという、闇金の主人公の話だ。 ウシジマくんこと丑嶋馨は、「金(かね)は、奪うか、奪われるかだ。」と10日で5割(トゴ)、1日3割(ヒサン)という法外な金利を駆使する伝説のヤミ金ウシジマ。
 
泣きながら懇願する債務者に「借金まみれのヤツに明日がくるかどうかなんてわからない。―今日返せ。」と言い放ち、日々容赦ない取り立てを行っている。一日待ってくれなどという債務者の要求などには耳をさない。その取立ても、厳しい。
 

                  「○○さん、いるんでしょう?」と厳しく取り立てる。
 
借金の返済に苦しみ、最後の手段で「闇金」に手を染める人たちの実態がすさまじいほどに描かれる。また、闇金業者が、資金源としてるところがあり、そこは、利息
15%で闇金に貸し付けている。また、借金が数百万円に膨らんだ場合には、
銀行の融資担当の弱みを握っている窓口を紹介するといって「独立事業資金」として、400万円調達してもらうよう債務者に持ちかける。銀行の一部の行員とぐるになっているのだ。どうしても支払いができない債務者には、アジアの某国向けに「臓器」が販売されるか、二度と帰れないシベリヤの厳しい労働送りが待っている!
 
主人公のウシジマが口にする言葉。
闇金は、弱い者いじめをしているように見えるが、客も怖い。闇金狩りといって、初めから返済の意思がなく、借りまくる人間もいる。相手を見極める眼力が必要だ」と。
 
このドラマでは、さまざまな人間が、闇金業者のもとを訪れる。
ギャンブル(スロット、パチンコ、競馬)、風俗に貢ぐもの、など。
あらゆる欲望の果てに、借金地獄に陥っていく。
「女の場合は、若いうちは、女の武器で稼げる」(ウシジマくん)と、闇金と風俗店がセットになっている。風俗で稼ぎながら、闇金に返済していく。
 
中には、どう見ても、外見は?だが、特殊な客に受けて、売上No.1の女は、3,000万円もため込んでしまう。美人を自負する女は、逆に指名がつかずブス女に、売上アップの秘訣を聞くのだが・・・。
 
主人公のウシジマが社長を務めるCowCow Finance(カウカウファイナンス)に、青森の訛りが抜けない一人の女性・大久保千秋(片瀬 那奈)が採用の面接にやってくる。千秋が事務所で見たのは、パンツ一丁で土下座している男の姿。ウシジマは、なぜ男をパンツ一丁にさせたかを「試験する」。その千秋の回答が「正解」だったので、即採用となる。千秋は、闇金世界の”狂った人物たち”の環境の中では、唯一まともな存在に思われるのだが・・・。
 

                               一番右が千秋(片瀬 那奈)
 
この千秋は、母親を安心させるために、どんな職業でも付きたかったので、面接に臨んできたがことごとく断られ、最後にたどりついたのが「カウカウファイナンス」だった。ウシジマのやり方が強引で、時には債務者の側にも立つが、「甘い!」と一蹴される。ある老婆が、「息子がリストラにあって、仕送りがなくなって、お金を借りたい」とやってきたのだが、その老婆に同情した千秋だが、「パチンコ屋を覗いてみろ」とウシジマに言われ、見に行くと、パチンコ台の前で、熱心に球を打つ老婆の姿があった。「今いいところ(当たる間際)だから邪魔をしないで」がそのババアの言葉だった(笑)。
 
いろいろな矛盾を感じつつも、強くたくましくなっていく千秋の姿がすさまじい。がんばれと応援したくなる(笑)。めそめそしているような債務者などは、怒鳴りつけて、パンチを一発お見舞いするのだ。この片瀬 那奈は、ドラマ「カエルの王女様」でも出ていたがどちらのドラマも、ミニスカートが多く、美脚をめだつようにという監督の意図か(笑)。
 

 
ウシジマが、野菜嫌いで、肉しか食べないのを見て、「野菜も取らないとバランスが悪い」と常に言い続ける。ある勝負の賭けで、「私(千秋)が勝ったら、私のいうことを聞いて」と約束を取り付ける。
 
そして勝負は千秋が勝つ。ウシジマの机の上に「三つ葉」をたっぷり。それを、一気に食べるウシジマ。以後、食事には、これまでキャベツだけ残していたウシジマだが、キャベツの大盛りを注文するようになる、というオチはなかなかいい。
 
闇金、まさに社会の闇の部分を描いた、怖~いドラマだ。
このドラマは、2年ほど前に深夜枠で放送されたようで、多くの人が見ているわけではないようだが、特殊な闇の業界を、かなりリアルに描いていて、面白い。
 
中でも、普段は旅行社に勤務し、成績もいいが、副職で、「闇金狩り」と称して、偽の免許証と住所で、複数社から莫大な金を巻き上げ、キャバレーで豪遊する一派が、闇金業者に見つかって、どうなったか・・・笑。
 
闇金の取り立て屋の見ている前で、主婦が通りすがりのサラリーマンたちに土下座して、「1,000円貸してください」という姿。オッソロシイ~!
 
くわばら、くわばら…古い!
 
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