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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「マネー・ボール」(2011)</span>


マネー・ボール」(Moneyball, 2011) - Trailer
 

 
今年のアカデミー賞作品賞、主演男優賞(ブラッド・ピット)など6部門でノミネートされた話題作品「マネー・ボール」を見た。

ブラッド・ピットが、これまでの軽い役から打って変わり、気短な野球のゼネラル・マネジャー(GM)役を存在感たっぷりに演じていて、見ごたえがあった。昨年見ていたら、上位5作品には間違いなく入れたい作品だ。
 

 
 
メジャー経験のあるプロ野球選手から球団のフロントに転身するという珍しいキャリアを持つビリー・ビーンブラッド・ピット)。風変わりで短気なその性格は、若くしてアスレチックスのゼネラルマネージャーになってからも変わらなかった。
 
他人の意見を聞かず、議論も拒否するような自分中心の考え方。驚くことには、自分のチームの試合も観なければ、腹が立つと人や物に当り散らすという、癖のあるマネジメントを強行。
 
そんな変わりダネが経営するアスレチックスは弱かった。チームがまけても選手たちは、おどけて歌を歌ったりしている始末。
 
オーナーを交えた会議で、オーナーが若い男の声に耳を傾けているのを見逃さなかったビーンは、後で、この男の職場の席を訪ねて、「お前は誰だ」と問いただす。「ピーター・ブラントです」と答えたのに対して、「そうではない。何者かと聞いているんだ」と声を荒げる。イエール大学の経済学専攻だと知り、「イエール大、エコノミクス、ベース・ボール」かと嘲笑するビリーは、ピーターを自分の補佐役に据える。
 
野球経験はないものの、データ分析が得意なピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)と出会ったことで、風向きが変わり始める。ビリーは後に“マネーボール理論”と呼ばれる“低予算でいかに強いチームを作り上げるか”という独自の理論を実践。
 
貧乏球団のため、優秀で年俸の高い選手は雇えない。
高級取りのジアンピが抜けた後、その穴埋めに必死のアスレチックスの球団関係者たち。ジアンピ・クラスの選手の獲得を目指して、候補選手の名前を挙げ、白熱した議論が続くが、ビリーは、「議論は無駄だ。野球チームの中には、金持ちチーム(ヤンキースなど)がいて、貧乏チームがいて、クソ・チームがいて、我々(アスレチックス)はその下だ。他球団で欠陥選手扱いされている選手で、過小評価されている選手を手に入れることだ」と。

これは、選手を数値化するということで、得点するためには、四球も選んで出塁率の高い選手などを選び、300万ドル・レベルの選手を23万ドル程度で獲得しようというのだった。
 
選手獲得のために、他球団のGMやオーナーに直接電話をかけまくり、切り込んでいくさまは、猛烈で、スピードが速い。ある時など、いきなり電話するなり「今夜は、リンカンには投げさせるな。すぐに着替えさせろ」(うちが引きとる)という有無を言わせぬ物言いだった。一瞬、イチローのシーンが出るが、イチローも、先ごろ、マリナーズからヤンキースに電撃移籍したこともあり、二重写しになる。
 
こうした荒っぽいやり方に野球界の伝統を重んじる古参のスカウトマンだけでなく、選手やアート・ハウ監督(フィリップ・シーモア・ホフマンがスキン・ヘッドに!)らの反発を生み、チーム状況が悪化する。それでも強引に独自のマネジメントを進めてゆく。
 
その揺るぎない信念は、徐々にチームに勝利をもたらし、誰も想像しなかった奇跡が起こる。アスレチックは1か月に17勝4敗、そして、連勝記録は、前人未到の20連勝を遂げる。
 
 
球界はビリーの手腕を認め、周囲からの信頼も次第に回復。そしてある日とんでもないオファーが飛び込んでくる。しかし、そこで重大なことに気づいたビリーは、意外な行動に出るのだった・・・。
 
ビリーが目指したのは、勝利を積み重ねることや、リーグ優勝ではなく、「最後に勝たなければ意味がない。ワールドシリーズに勝利することだ。世界が変わる」だったのだ。
 
実在の人物を映画化してしまうアメリカの懐の深さ?
現在活躍する人物、例えば球界1,2の年俸のジアンピについては、「野球よりもラスベガス(ギャンブル)が好きだ」とか、ジアンピの弟は酒癖が悪いなど。
 
球団の会議では、各プレイヤーの実力、性格、伴侶、ガールフレンド(ブスだとか)、細かくチェックしているのには驚く。こうした現実を見ると、かつて実力を発揮していても、高年俸の選手は取り除かれていくことになる。
 
ビリーGMは、選手との交流を好まない。
私情を入れない主義で、ビジネスライク。
補佐のピーターが「選手をクビにしにくくなるからか」と問うがそれには答えていない。ビリーから、ある選手の解雇を託されたピーターが、その選手を呼び出して、解雇通知をするシーンが印象的だ。書類を差出して「契約はしない。書類にサインを」だけで、問答無用の厳しさだ。
 
映画は、一部にアスレチックの実写も交えて、見ごたえがあった。

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