ハリウッド映画や海外合作にも「SAYURI」「バベル」をはじめ数本以上出演している。役所に勤めていたので、「役所」という芸名をつけた。仲代達矢主宰の無名塾の2期生(修正)。無名塾からは、いまだに役所を越える俳優は出ていないように思える。
ひょうひょうとしたコメディアンのような役柄から、サラリーマン、軍人、武士、泥棒まで何でも演じてしまう。そのどれもが、役所であり、”俳優二十面相”のような役者だ。
そのあとは、大ヒットした「Shall we ダンス?」。普通のサラリーマンが、ダンス教室の窓辺にたたずむ女性を見上げて、ダンス教室に通うことになり、ダンスに魅了されていく姿が共感を呼び、ハリウッド・リメイクまで誕生した。
「失楽園」「うなぎ」といった代表作で、俳優の地位を不動にしていった。
「金融腐食列島 呪縛」や「突入せよ! あさま山荘事件」では、社会派の映画にも出演した。「SAYURI」「The 有頂天ホテル」「バベル」などの話題作に出た後、2010年は、「十三人の刺客」「最後の忠臣蔵」の侍映画2本に堂々の主役で出演。2011年末には、「聯合艦隊司令長官 山本五十六」で、五十六が当時56歳を55歳の役所が演じ、今年1月には56歳になった。山本五十六といえば「トラ!トラ!トラ!」で山本五十六を演じた山村聡が印象的だが、役所広司もその年齢に達して風格があるということか。
ことしは、前半2本(「わが母の記」と「キツツキと雨」)の公開が控えている。「わが母の記」は、昭和の文豪・井上靖の自伝的小説を豪華キャスト(役所広司、樹木希林、宮崎あおいなど)で描く親子の絆の物語。GWの公開。
短いCMの中にも、その存在感は光っている。「ダイワニャン」もそうだ(笑)。
”役者”広司の活躍は、しばらく続きそうだ。
映画
遠野物語(1979年)
闇の狩人(1979年)
鬼龍院花子の生涯(1982年)
ひめゆりの塔(1982年)
タンポポ(1985年)
アナザー・ウェイ ―D機関情報―(1988年)
オーロラの下で(1990年)
紅蓮華(1993年)
極東黒社会(1993年)
しのいだれ(1994年)
KAMIKAZE TAXI(1995年)
Shall we ダンス?(1996年)
シャブ極道(1996年)
失楽園(1997年)
うなぎ(1997年)
バウンス Ko GALS(1997年)
CURE(1997年)
絆 -きずな-(1998年)
たどんとちくわ(1998年)
ニンゲン合格(1999年)
金融腐食列島 呪縛(1999年)
カリスマ CHARISMA(1999年)
どら平太(2000年)
EUREKA(2001年)
回路(2001年)
降霊(2001年)
赤い橋の下のぬるい水(2001年)
突入せよ! あさま山荘事件(2002年)
11'09''01/セプテンバー11日本編(2002年)
ドッペルゲンガー(2003年)
油断大敵(2004年)
東京原発(2004年)
ほたるの星(2004年)
笑の大学(2004年)
レイクサイド マーダーケース湖邊兇殺案(2005年)
ローレライ(2005年)
SAYURI(2005年)
THE 有頂天ホテル(2006年)
それでもボクはやってない(2007年)
叫(2007年)
アルゼンチンババア阿根廷婆婆(2007年)
バベルBabel(2007年)
象の背中(2007年)
シルク(2008年)
パコと魔法の絵本(2008年)
トウキョウソナタTokyo Sonata(2008年)
ゼラチンシルバーLOVE(2009年)
劒岳 点の記(2009年)
ガマの油(2009年、兼監督)
十三人の刺客(2010年)
最後の忠臣蔵(2010年)
一命(2011年)
聯合艦隊司令長官 山本五十六(2011年)
わが母の記(2012年)
キツツキと雨(2012年)