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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">「運命の人」(第6話)・・・佐橋総理の負けられない”事情”とは・・・。</span>

 
「運命の人」(第6話)では、弓成(本木雅弘)と昭子(真木よう子)の裁判が始まった。両者は真っ向から対立する。しかし法廷に現れた昭子のあまりに痛々しくやつれ果てた様子に、男女関係こそがこの事件の本質であるかのように世間に印象付けられていった。
 
弓成と由里子(松たか子)は、次男の純二が学校で「ハレンチ記者だ」と同級生に言われたことが原因で喧嘩をしたことを聞き、謝罪にいく。 原因が自分にあると感じた弓成が向かった先は・・・。
 
一方、政権を担う佐橋総理(北大路欣也)にとって、新聞社による密約の裁判は、男女スキャンダルにすり替えてでも、絶対に勝たなければならない”事情”があった。これを後押ししたのが、十時正春(伊武雅刀警察庁長官だ。十時のモデルは、カミソリ後藤田と言われた後藤田正晴だ。のちの官房長官、副総理としても有名だ。十時が、「裁判は絶対に勝ちます。ご安心を」と太鼓判を押す。
 

一点の曇りもあってはならないからな」と念を押す佐橋総理。
 
             「弓成とかいう記者などは徹底的につぶせ。」
 
佐橋総理の、その事情とは・・・。
 
佐橋総理は、念願だった沖縄の本土復帰を花道に、”一点の曇りもなく”引退をする青写真を描いていた。しかも、そこには、”名誉”がついてくるはずだった。
                              
 
 
 
 
 
事情とは・・・。
 
 
 
 
 
このドラマで、はじめて登場した言葉。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
だった。
 
モデルとなった佐藤栄作・元総理は1974年に受賞。1975年に没する直前に受賞している。没後に国民を欺いていたという密約が発覚しても、賞は取り消しされないのか。オリンピックのメダルは取り消しというのがあったが(爆)。
 
1974年当時、日本人でノーベル賞を受賞していたのは、佐藤以前は、わずかに
3人(いずれも化学賞で、湯川秀樹朝永振一郎江崎玲於奈)のみ。平和賞受賞は今日までも佐藤栄作だけ。当時は、長期政権(連続では、最長の7年8カ月で、良くも悪くも、いろいろな評価が錯綜した)。
 
小説吉田学校」の吉田茂総理(映画は、森繁久弥)の門下生としては、すべて実名で登場の岸信介のあとの池田隼人、佐藤栄作の二人は、吉田から特に目をかけられていたようで、佐藤の流れをくむ人脈では、福田赳夫田中角栄大平正芳中曽根康弘・・などがいずれも総理大臣になっている。
 
 
「運命の人」で描かれている密約問題は、スキャンダル事件に消され、追求は無くなるが28年後に、密約の存在が明かされることになる。毎朝新聞のモデルとなった毎日新聞は、当時は、日本の全国紙3大新聞といわれていたが、スキャンダルなどによる不買運動もあり、部数が激減。ついには、70年代後半に、一度倒産している。
毎日新聞社といえば、高校性の時に、社会見学の一環で、毎日新聞社・東京本社(一ッ橋・丸ビル)をクラス全員で訪れたことがある。1967年くらいだったろう。その後に、「運命の人」のような事件が起きるとは夢にも思わなかった。)
 
「運命の人」の原作者・山崎豊子は、毎日新聞記者の出身だ。
旧制女専を卒業後、毎日新聞社大阪本社学芸部に勤務し、学芸副部長(当時)・井上靖のもとで記者としての訓練を受けた。1957年に作家デビュー。1968年から始まった連載小説、大学病院の現実を暴いた「白い巨塔」、神戸銀行(現・三井住友銀行)を舞台にした「華麗なる一族」、戦争の非人間性ロッキード事件を描いた「不毛地帯」、航空会社をモデルにした「沈まぬ太陽」など、骨太作品が多く、ほとんどが映画化されている。2009年に発表された「運命の人」は、毎日出版文化賞特別賞を受賞している。
 
さて、次回の「第6話」は、法廷で、決着がつく。
 
「主文 被告人、弓成 亮太は・・・・・」
「主文 被告人、三木 昭子はxxxxxx」
 
来週は、大きなヤマ場になりそうだ。
 
プロデューサーによると、当時の服装などは、必ずしも忠実にはしていないとのこと。かなり現代風に置き換えているようだ。ビシッとしている。主人公・弓成は三つ揃えのスーツでオールバック。三木は、ブルーなど現代的な色合い。現代とあまりにもかけ離れていると、自分たちとは関係ない話ととらえられてしまうからだとか。
 
それにしても、山部記者(ナベツネさんがモデル)は、弓成や、奥さんの由里子のためにタイムリーな知らせを運ぶ”いい人”役。渡辺○雄さんは、どこに文句をつけようというのか(笑)。かっこよすぎるくらいだ。まして、あくまでもフィクションで・・・。
 
弓成記者も、山崎豊子さんと同じ毎日新聞記者、ややひいき目に描いているようだ。
 
弓成記者のモデルとなった西山さん(80歳)は、このドラマをどう思っているのかというのは関心があるが、インタビューに応えているのを読んだことがある。
 
「事実と異なるところが多いようなので、ほとんど見ていない」と意外とあっさりしたもの。ただ、記者時代に追求した密約問題が、28年経って、「あった」ことが明らかにされて、その点では、一貫して、主張してきたことが、認められたという感想だったようだ。ただ、ドラマを見た知人から、じぶんが政治家に土下座したりしたというシーンがあると聞いて、それに対しては、あり得ないと憤慨していたようだ。
 
 
主要人物
弓成 亮太 - 本木雅弘
毎朝新聞社政治部記者。外務省記者クラブキャップ→永田町記者クラブキャップ
弓成 由里子 - 松たか子
弓成亮太の妻。
三木 昭子 - 真木よう子
外務省安西審議官付事務官。
山部 一雄 - 大森南朋
読日新聞社政治部記者。外務省記者クラブキャップ→永田町記者クラブキャップ
佐橋 慶作 - 北大路欣也
内閣総理大臣。沖縄復帰記念式典後、退任。

毎朝新聞社

政治部部長。
清原 了 - 北村有起哉
政治部記者。外務省記者クラブ→永田町記者クラブ
金田 満 - 遠藤雄弥
政治部記者。外務省記者クラブ→永田町記者クラブ
仲村 明 - 笠原秀幸
政治部記者。永田町記者クラブ所属。
荒木 繁 - 杉本哲太
社会部デスク。
斉田 透 - 淵上泰史
社会部司法担当者。
萩野 孝和 - 梶原善
整理部デスク。
恵比寿 史朗 - でんでん
販売部部長。
久留 聡一 - 吉田鋼太郎 
大館 智文 - 錦引勝彦
取締役社長。

外務省

安西 傑 - 石橋凌
経済担当審議官。
山本 勇 - 小松和重
安西審議官付事務官。
吉田 孫六 - 升毅
アメリカ局長。
川崎 一郎 - 奥田達士
北米第一課長。
砂川 - ノゾエ征爾
人事課課長。
児玉 - 伊藤正之
人事課課長。

政治家

愛川 輝一 - 大和田伸也
外務大臣。第三次佐橋改造内閣後、退任。
田淵 角造 - 不破万作
福出 赳雄 - 笹野高史
大蔵大臣。第三次佐橋改造内閣後、外務大臣に就任。
鈴森 善市 - 田窪一世
自由党総務会長。
小平 正良 - 柄本明
自由党小平派会長。
曽根川 靖弘 - 本田博太郎
自由党曽根川派会長。
横溝 宏 - 市川亀治郎
社進党衆議院議員、元弁護士。

警察

十時 正春 - 伊武雅刀
警視庁捜査第二課知能犯第4係班長
郷田 - 長谷川公彦
警視庁捜査第二課課長。
岩代 - 山本龍二
警視庁捜査第二課警部補。

法曹

高槻 - 伏見哲夫
弓成亮太弁護団
大野木 正 - 柳葉敏郎
中央法律事務所所属。弓成亮太弁護団
坂元 勲 - 吹越満
三木昭子担当弁護士。
正木 道夫 - 矢島健一
東京地方検察庁次席検事。
藪谷 哲司 - 水橋研二
笠間 繁昌 - 阪田マサノブ
森 靖之 - 浅野和之
東京地方検察庁公判部検事。

週刊誌

鳥井 裕三 - 斎藤歩
週刊「ジャーナル」記者。

弓成家・八雲家

弓成 正助 - 橋爪功
弓成亮太の父親、北九州青果協同組合弓成青果社長。
弓成 洋一 - 今井悠貴
弓成亮太・由里子の長男。
弓成 純二 - 山崎竜太郎
弓成亮太・由里子の次男。
八雲 泰造 - 山本圭
弓成由里子の父親。
八雲 加世 - 高林由紀子
弓成由里子の母親。
青山 芙佐子 - 柴本幸
弓成由里子の妹。
青山 美奈 - 甲斐恵美利
青山芙佐子の娘。
鯉沼 玲 - 長谷川博己
弓成由里子の従兄妹、建築家。

三木家

三木 琢也 - 原田泰造ネプチューン
三木昭子の夫、元外務省官僚。

その他

坂元 千恵子 - 黒沢あすか
坂元勲の妻。
枝川 清美 - ふせえり
女性人権活動家。「三木さんを守る会」代表。