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<span itemprop="headline">映画「はやぶさ 遥かなる帰還」(2012)</span>


映画「はやぶさ 遥かなる帰還」予告編
 
きょう(2月11日)から公開の「はやぶさ 遥かなる帰還」の第1回目上映(朝9:40)をみた。さいたま新都心にあるシネコンMOVIXさいたま」は、土曜日ということもあり、賑わっていた。「ドラゴン・タトゥーの女」などは、オリジナルと、吹き替え版があったり、「日本列島 いきものたちの物語」「ペントハウス」「麒麟の翼」などが同一シネコンで上映されており、それぞれの目指す映画を見ようと老若男女が押し掛けた。
 
はやぶさ 遥かなる帰還」は、客の入りは30~40人程度とまばらだったが、客層は40代~60代とやや高そうだ。主演の渡辺謙は、映画製作に当たってはプロジェクト・マネジャーを兼務しており、映画の中でもプロジェクト・マネジャーを演じている。
 
今や国際スターの仲間入りを果たした渡辺謙だが、「はやぶさ」のミッションを成功すべく、実在の教授を熱演している。
 
2003年5月9日の打ち上げから実に7年間、60億キロに及ぶ宇宙の旅を繰り広げ、地球への帰還を果たした小惑星探査機“はさぶさ“。はやぶさが帰還した場所は、オーストラリア。広大なオーストラリアの大地も紹介される。
 
偉業で日本中に感動をもたらしたプロジェクト・チームの苦闘の日々を、家族との人間模様を絡めてドラマチックに描いている。“はやぶさ“が旅した深宇宙の光景を、最先端のVFXで再現している。
 
映画は、朝日新聞の宇宙関連担当記者・井上真理(夏川結衣)のナレーションによって進行する。航空宇宙の専門用語がポンポンとでてくるのに戸惑うが、そこは、記者が技術者に質問する形で、伝わってくることもある。
 


2003年5月9日。小惑星探査機“はやぶさ”を搭載したロケットが鹿児島県内之浦観測所から飛び立つ。その最大の目的は、小惑星イトカワ”へ行き、太陽系の起源、地球の起源を探る手がかりとなる石や砂を持ち帰ること。
 
しかしそれは、世界でも例のない困難なミッションへの挑戦でもあった。ロケットを見守る“はやぶさ”プロジェクトマネージャーの山口駿一郎教授(渡辺謙)や新聞記者の井上真理(夏川結衣)たち。
 
真理はカプセル担当の鎌田悦也(小澤征悦)や広報担当の丸川靖信(藤竜也)などプロジェクトチームの取材を続ける一方で、疎遠になっていた町工場を営む父、東出博(山崎努)と会う。
 
妻を亡くして仕事も減った父を心配しながらも、シングルマザーとして働く真理は、父との距離を埋められずにいた。その後も様々な困難を乗り越えた“はやぶさ”は、2005年11月に“イトカワ”のサンプル採取に成功。
 
だが、化学エンジンの燃料が漏れ、姿勢制御も不能になる。藤中仁志(江口洋介)とメーカー、NECに勤務する森内安夫(吉岡秀隆)は、イオンエンジンの燃料噴射によって姿勢制御に成功。
 
危機を脱したものの、姿勢制御に時間を要したことで地球への期間が予定より3年延びてしまう。さらに通信途絶やイオンエンジンのトラブルなどが重なり、2009年11月に最後のイオンエンジンが停止。最大の危機に直面した時、山口はリーダーとして決断する。
 
はやぶさ”を地球へ帰す。決意を同じくした藤中と森内は、イオンエンジンに最後の指令を送った。満身創痍になりながらも地球へ帰還しようとする“はやぶさ”のため、チームの技術と想いがひとつになる。そして真理と父親に間にも、“はやぶさ”の帰りを願う気持ちが絆を結ぼうとしていた・・・(Gooより)。
 
山口教授(渡辺謙)は甘党か。
かりんとう」が好みで、よく、ぱりぱりと食べる。
そのため、町工場の東出博(山崎努)と会った時も、かりんとうを一緒に食べる。
山口は、甘党のためか「歯医者に行ったら、歯の奥がすっかり削られていることが
わかった」という。甘党のfpdも同じで、かつては、甘いものをどんどん食べて、歯は大丈夫と思っていたが、結果として、虫歯になり、何本か抜歯するなど、長らく治療に通っている(笑)。
 
山口教授は、仕事場で遅くなるときは、カップ・ヌードルをすする。実際の山口教授は、映画化されると聞いた時、自身の役を渡辺謙が演じると知り「(天下の渡辺謙がと)うそでしょう?」と思ったらしい。
 
山口教授も、町工場の東出も、後輩、落ち込んでいる人たちに同じことを言っていたのが印象的だった。それは、「下ばかり向いているな。上を見上げろ」だった。広大な宇宙に思いを馳せれば、今悩んでいることなど小さなことだということか。
 
山口は、意見など衝突することが多かった藤中仁志と、「はやぶさ」が帰還した後に労をねぎらって握手を交わす。
 
藤中がいう。「山口さんの手は冷たいですね。手が冷たい人は、心が温かいといいます」と。 それに対して、少し間をおいて山口は「(技術者にしては)論理的でないな」。論理的でない、といったのは、山口の照れ隠しだったかもしれない。
 
渡辺謙にしろ江口洋介にしろ、会議のシーンで英語を話すが、どちらも今までの日本人の、日本語なまりの英語ではなく、うまい。さすがハリウッドスター・渡辺謙だ。
 
舞台となったオフィスの熱気は、観客もその中にいるような錯覚すら覚えるようなセットが造られていた。「はやぶさ」関連の映画は4本製作されたが、比較してみるのも面白いかもしれない。
 
はやぶさ”プロジェクトは、NASA(米航空宇宙局)も関わっていた、日本の壮大なプロジェクトだった。はやぶさの帰還の遅れ(3年)というのに、NASAは協力について難色を示していた。しかし、山口の粘り強い交渉で、なんとか道筋をつけるシーンはよかった。
 
NASAの担当者が、山口に「相変わらず、ドクター・山口はタフな交渉人だな」というのが印象に残る。このタフという言葉は、アメリカ人が好んで使う言葉だが、山口に対する最大の賛辞だったに違いない。
 
はやぶさが帰還するときの姿は、まさに「満身創痍(まんしんそうい)」の姿。ぼろぼろ。力尽きた老兵。絶体絶命と思われた事態に、最後の切り札を使って、なんとか
成功させるのだが。
 
この姿は、「ボロを着たマリリン・モンロー」。
この言葉も効果的に使われていた。
 
アメリカ人が使うウイットを、ウイットで巧みに返す渡辺謙という俳優は、「世界標準」の俳優なのかもしれない。

 
追加:
渡辺謙の、この映画に賭ける意気込みは半端ではなく、完成後のプロモーションでは、地球一周程の距離を回ったという。日本でも外国映画に負けない映画を作れるということを示したかったという。
 
 
☆☆☆
 
 
 
 
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