映画「ALWAYS三丁目の夕日'64」
「Always 三丁目の夕日 '64」は、シリーズ3作目になるが、東京オリンピックの時代、1964年を中心に描いていて、懐かしさが蘇る。3Dを意識して撮ったということのようで「3D」でみた。「2D」でもよかったかもしれない。
記憶のかなたに遠くなりつつある昭和の時代。
映画のオープニングで、東京タワーのてっぺんが真上から映し出されるが、普段は絶対に見られないショットであり、これは感動ものだ。
六ちゃんが好意を寄せる凡天童病院の医師、菊池(森山未来)との結婚、小説家・茶川竜之介(吉岡秀隆)と淳之介(須賀健太)との将来に対する進路の食い違い、竜之介と父親との確執など様々な模様が描かれるが・・・。
竜之介は父親から勘当されて以来、実家にはほとんど寄りつかなかったが、危篤だということで、訪問。そこでも、文句を言われ、実家に戻ったことを後悔するのだが、後で父親の本当の想いを知ることになり・・・。このあたりは、見ていて泣かせるシーンだ。
東京オリンピックを機にカラーテレビのブームがやってきたが、鈴木オートにもカラーテレビが届く。カラ―テレビで、fpdが最初にカラーの鮮やかさに感動を覚えたのは、今回紹介されている「ひょっこりひょうたん島」だった。
時代を映しているのは様々登場するが、鈴木オートの息子、一平が中学仲間とエレキ・バンドで、女子生徒を集めて演奏を行うが、これが受けないところがおかしい。
「みゆき族」も登場。
薬師丸ひろ子は、鈴木オートの奥さんとして、この映画では、安定していて頼りがいがある役柄。にじみ出るうまさがある。
吉岡秀隆の演技がかなり誇張されていて正直鼻についていたが、あれだけ徹底していると、受け入れてしまう。淳之介も自分の恩人として尊敬しているものの、竜之介の希望する「東大合格、エリートコースで安定」には従わず、小説家を目指す、ときっぱり言い切るところは、しっかりしている。竜之介は、淳之介に対して「叩き潰してやる」と強がるが、淳之介の気持ちも心の奥底では、受け入れているようだ。
「サッカーなんかつまらない」というセリフも印象深い。
当時は、スポーツといえば野球が中心。今日のようなサッカーの隆盛は想像できなかったろう。
夕日三丁目の住人は、オリンピックという一大イベントの”祭りの後”も元気に生きていくことになるが、将来にわたって「夕日」が見られる日が続くことを願っていた。
それは、今日の大変な状況の中でも、夕日=希望を象徴しているようにも思える。