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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">「運命の人」(山崎豊子)…ドラマ、本日9時スタート。</span>



 
一人の男と二人の女。
それも、もっとも乗っている女優二人が演じるとなれば・・・。
 
早くも今年度の最大のドラマとなるだろう「運命の人」(日曜劇場・夜9時)の第1回が今夜放送となる。原作は、山崎豊子の最新作。今年89歳になる山崎豊子(1923年生まれ)だが、取材の執念・バイタリティたるや・・・。
 
あ、そうなんですか。「知らなかった」・・・それだったら見てみよう、という人が、一人でもいたら、この記事の役割を果たしたことになる(笑)。「家政婦のミタ」より、数段に見ごたえがあるといったらおおげさか。2月中旬ごろには、ドラマ人気がまたまた話題になり「運命」現象が起こっている・・・ということも。
 
これまでにドラマ化された山崎豊子作品では、「白い巨塔」「不毛地帯」「華麗なる一族」「女系家族」などがあるが、どれも重厚で見ごたえのあるドラマだったが、またあらたに、大きなドラマの1ページが加わる。
 
主演に抜擢されたのは、山崎豊子の指名を受けた「おくりびと」の本木雅弘
原作では28歳の役もあるということで「28歳に見えるかな?」と本木。「松さんはいいだろうけど」と奥さん役の松たか子に語りかけていた。今回ばかりは「沈まぬ太陽」の渡辺謙主役というわけには、いかない。
 
本木も日本の国民的大御所からの指名に「大変光栄なこと」と緊張しつつも、役作りのため、事前に沖縄取材などを行っている映像がテレビで紹介されていた。「沖縄の歴史を知らずに、生きてきた自分は、はたして幸せだったといえるのか・・・」と自問する。本木のまっすぐな取り組み姿勢も、山崎さんのお眼鏡にかなったのだろう。
 
新聞記者用語のセリフ回しに苦労したり、昔はパソコンもなく、「ざら紙」に鉛筆で
原稿を書く姿も紹介されていた。その「生(なま)原稿」をタイピストがタイプライターで、打ち直していた。そういえば、求人などでも「タイピスト」求むというのもかつてあった。いまでは「パソコン入力」か。
 
俳優が超・超豪華。
本木雅弘の運命を変えるキ―パソンたち。
  
ドラマの概要は、ホームページによると、以下の通り。
 
「国家権力のウソ 密約暴いた記者」
 
重要な外交交渉で、国家権力が国民にウソをついている。それを新聞記者が暴いたとき、何が起きるか。72年に実際に起きた「沖縄密約事件」をモデルにした小説だ。
 
外務省記者クラブに所属する弓成亮太記者は、沖縄返還交渉を取材する過程で日本政府が米側と密約を交わしている機密文書を手に入れる。基地などの原状回復補償費400万ドルは本来、米国が負担しなければならないのだが、日本側が肩代わりする方向で交渉が行われていた。
 
文書は、外務省の女性事務官から渡されたものだ。女性事務官と弓成は男女関係があった。ニュース源を明かさずに、いかに政府のウソを明るみに出すか。弓成は結局、野党議員に文書を渡す。議員は国会で、それを政府側に渡してしまう。
 
政府は「密約などないし、そんな文書もない」とシラを切る。そして弓成と女性事務官は機密漏洩(ろうえい)の国家公務員法違反で逮捕されてしまうのである。
 
世論は当初、国民を欺く密約だと政府を強く非難していた。しかし、弓成記者が「情を通じて」女性事務官に機密文書の持ち出しをそそのかしたとする起訴状が発表されると、状況は一転する。世間の関心は男女関係に集中し、「政府のウソ」はどこかに飛んでしまった。
 
あとはワイドショーの世界である。弓成の社会的な地位も家庭も崩壊していく。
フィクション仕立てだが、実名を変えてあるぐらいで、事件をかなり忠実に再現している。
 
補償費肩代わりの具体的な詰めは、パリの経済協力開発機構OECD)閣僚会議の場を隠れみのに行われるのだが、そのやり取りは細部まで具体的だ。著者はすでに80歳代半ばのはずだが、取材のエネルギーは並ではない。
 
第4巻でストーリーは事実から離れる。弓成は家庭を捨て、沖縄に向かう。自殺を考えるが、地元の人々の温かさに救われ、再びペンをとる気力をよみがえらせていく。
 
小説はそこで終わるのだが、現実の沖縄密約事件は37年後の今も動き続けている。
 
作家の澤地久枝さんらが情報公開法に基づいて今年3月、密約文書を公開するよう求める訴訟を起こした。文書は米国ですでに公開され、密約が明らかになっている。しかし政府は相変わらず、そのような密約はないし文書もない、と言い張っている。裁判所もかなりいらだったようで、6月16日に「あるべき文書がないというなら、ない理由を示せ」という内容の異例の要請をした。
 
都合の悪い事実が暴かれたとき、権力は「薄汚い不倫事件」に仕立て上げて国民をだまそうとした。見立て通り世論はころりとだまされた。米国で密約を証明する文書が出てきても、それは何かの間違いだと言い続ければ何とかなる。政府はそう思っているのではないか。
 
本書(本作)は、この国の国民と権力のありようを問うてもいるのである(以上HP)。
 

 
主要人物
弓成亮太 - 本木雅弘
弓成由里子 - 松たか子
三木昭子 - 真木よう子
山部一雄 - 大森南朋
佐橋慶作 - 北大路欣也
毎朝新聞
清原了 - 北村有起哉
金田満 - 遠藤雄弥
萩野孝和 - 梶原善
恵比寿史朗 - でんでん
荒木繁 - 杉本哲太
外務省
安西傑 - 石橋凌
吉田孫六 - 升毅
山本勇 - 小松和重
林外務次官 - 石丸謙二郎
弓成家・八雲家関連
弓成正助 - 橋爪功
弓成しづ - 吉村実子
弓成洋一 - 今井悠貴
弓成純二 - 山崎竜太郎
八雲泰造 - 山本圭
八雲加世 - 高林由紀子
青山芙佐子 - 柴本幸
鯉沼玲 - 長谷川博己
三木家
三木琢也 - 原田泰造ネプチューン
弁護士
大野木正 - 柳葉敏郎
坂元勲 - 吹越満
週刊誌記者
鳥井裕三 - 斎藤歩
松中雄也 - 眞島秀和
政治家
横溝宏 - 市川亀治郎
愛川輝一 - 大和田伸也
曽根川靖弘 - 本田博太郎
田淵角造 - 不破万作
福出赳雄 - 笹野高史
小平正良 - 柄本明
警察
十時正春 - 伊武雅刀
井口捜査二課班長 - 小市慢太郎
森靖之 - 浅野和之
 
 ※ドラマを見た。熱気が伝わってくる。重厚なドラマは、山崎豊子作品なら間違いない、を実証。
来週以降も期待できる。