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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

監督:三谷幸喜・・・TV「ステキな隠し撮り~完全無欠のコンシェルジュ~」

『ステキな隠し撮り ~完全無欠のコンシェルジュ~』

 
フジテレビでは、“秋の三谷祭”を開催!
11月5日(土)夜9:00~三谷幸喜最新映画「ステキな金縛り」の公開を記念して、まったく新しいスペシャルドラマ「ステキな隠し撮り~完全無欠のコンシェルジュ」が放送された。映画は面白かったが、この番組も負けず劣らず引き込まれた。
 
現在公開中でヒットしている三谷幸喜脚本・演出の「ステキな金縛り」の番宣だろうとタカをくくってみていたら、これが独立したドラマとして面白かった。
 
ステキな金縛り」に出演している超豪華キャストが総出演しており、映画をすでに見ている人にとっては、いっそう面白さが伝わってくるだろうし、未見の人は、見たくなるような番組だった。それにしても、三谷監督は、いろいろアイデアを考えるものだ(笑)。
 
まず、ホテルのスイートルームに複数のカメラを隠し、そのスイートルームの一風変わった有名人などが、コンシェルジュを部屋に呼んで、「なんでも、できることは実行する」というコンシェルジュに、「要望」を伝えるのだが・・・。
 
コンシェルジュに扮するのが、自分では「コンシェルジュ」に向いていないなぁと思い込んで、あまり自信のなさそうな新米コンシェルジュ深津絵里。そのコンシェルジュのボスが「ステキな金縛り」では裁判長を演じた林隆
 
スイートルームに宿泊する客は、映画監督(三谷幸喜)、ミュージカルの振付師(浅野忠信)、シルク・ド・それいけのスター(草なぎ剛)、有名カメラマン(山本耕史)、カリスマ料理家(竹内結子)、大物政治家2代の愛人であるコールガール(戸田恵子)、会社のお金1億円を横領して、悩んでいる会社員(西田敏行)など様々。
 
スイートルームからの呼び出しを受けて、元気よく「出動」する深津絵里が、ファイト満々で、全力で客の要望に応えていく。
 
その様子をすべてカメラで隠し撮りをしている盗撮男が見ているのだった。
この男のヘアスタイルが「ステキな金縛り」と同じで、生瀬勝久が扮している。
 
エピソードでは、カリスマ料理家といわれ本も出版しているが、まったく料理ができないため、料理家は、にわかにコンシェルジュと明日の紹介番組の準備をしようというのだった。竹内結子が、堂々として美人だが、まったく料理知らずというのが可笑しい。深津との掛け合いも自然で、アドリブのように演じている
 
カメラマンは、テレビでも自分が裸になってカシャカシャ撮るカメラマンがいるが、そのパロディのような作りだった。
 
希望を失って、会社の金に手を付け、1億円の入ったカバンを持っている会社員(西田)は、これまでに人から感謝されたことがないというので、コンシェルジュに、「ありがとう」といわれるようなことを何でもしたいと申し出るのだが・・・。西田流の得意技噴出の演技が笑わせる。
 
盗撮の容疑で警察に連行されることになった盗撮男が、コンシェルジュに一言。
 
「おまえは最低のコンシェルジュだ。これまでに何人もコンシェルジュを見てきたが、おまえはなにもうまくいっていない。最悪だ」と非難するが、一方で、「相手がだれであれ、失敗・成功に関係なく、一生懸命に相手に尽くす姿勢は、大したものだ。必ずうまくいくだろう」と盗撮男にしては、いいことを言う(笑)。
 

 
三谷監督のシーンは、自虐ネタ。
「ステキな金縛り」の感想が気になって、コンシェルジュに「落ち込むようなことだけは言わないように」と何回も念を押し、感想を聞く。コンシェルジュの返事は「スッゲー、おもしろかった」「スッゲー、おもしろかった」(言い方が傑作!)の1点張り(笑)。あまり言うと、嫌味にも聞こえるが・・・。
 
監督はそれでも気になり、「その中でも、どこかしら、これは?」というのがあるだろうと、「(そんなことはないと思うけど、というのがありありだが・・・)あえて言えば」「あえてでいいんだ」としつこく聞き返す。
 
コンシェルジュも、そこまで言われてはと「素晴らしいんですが、あえて言えば、最初のほうがやや長かったような~」と答えたものだから、「やっぱりか!いつもそうなんだ、最初のほうが長いって言われるんだ」と自信を喪失。こうした自虐ネタで、映画館へ客が足を運ぶように番宣に自らいそしむ三谷監督だった(爆)。
 
それにしても、深っちゃんのコメディエンヌぶりには脱帽。
あの、踊り。なかなか決まって、「かっこいい!」。
 
↓写真は、「ステキな金縛り」より(+三谷監督)。
 
 
 
映画「ステキな金縛り」は、法廷ミステリー、ホラー、コメディー、感動などさまざまな要素を含んでいながら、深津絵里演じる三流弁護士が、西田敏行演じる落ち武者の幽霊の力を借りて、難事件に挑んでいくことで成長していく姿も、一つの軸として描いている。
 
今回のドラマでも、一人のコンシェルジュが、さまざまなお客のわがままに戸惑いながらも対処していく成長ストーリーになっている点は共通している。