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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">ドロン映画3本:「太陽が知っている」(1968)・・・「いっぱい」の二番煎じ。</span>


「太陽が知っている」予告編
 
アラン・ドロンも順風満帆ではなかった。
太陽がいっぱい」で成功をおさめ一躍トップスターとなったが、「太陽がいっぱい」よもう一度と、製作された「太陽が知っている」だったが、柳の下には、もはやドジョウは、いなかった。凡作になるとは、太陽も知らなかっただろう。★★
 

 
この映画の公開当時、ドロンは大変なスキャンダルに巻き込まれていた。暴力団とのつながり、ドロンのボディガードの謎の死などだ。数々の逆境を跳ね返して、ドロン時代はそれでも続いた。ドロンも取り調べを受けて、大きく連日報道されていた。
 
ドロンの暗黒街関連の映画が、リアリティがあるということで、真実味を増したりした。ドロンの出世作太陽がいっぱい」で、殺害される友人を演じたモーリス・ロネが再び殺害される役柄として登場している。ドロンの恋人だったロミー・シュナイダーのほか、若きジェーン・バーキンまで出演しており、キャスティング的には、凄かったが・・・。映画の幕切れが中途半端だったのが残念。
 
「太陽が知っている」は、1971年5月というからちょうど40年前に3本立て映画館で観た。アラン・ドロン特集で、「ジェフ」「悪魔のようなあなた」が同時上映だった。
 
いくらドロン映画でも、3本同時に見ては、印象が薄くなる。それで、「悪魔のようなあなた」などは、”未見”に等しいくらい印象が薄い(笑)。
 

ジェフ
は、ヒッチコックの「鳥」を思わせるような、ミツバチの大群が人間を襲うシーンは圧巻だった。車の追跡シーンも、観客が車に乗っているような臨場感があった。カメラワークのせいだろう。音楽もビートが効いてよかった。ミレーユ・ダルクという女優はあまり好みではないが、この映画は魅力的だった。★★
 
 
悪魔のようなあなた」は、それまでの
ドロン映画とは一味違っていた。記憶喪失のドロンがやがて思い出していくという過程をサスペンスタッチで描いていた。ファーストシーンでのオートバイの事故死は「アラビアのロレンス」を連想させた。
 
ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の遺作となった作品。女優の演技はよかった。中国人の男たちが出演していたが、不気味だった(笑)。☆☆☆
 
 
 
蛇足:40年前の5月4日にドロンの3本立てを見て、1週間後には、「冬のライオン」「ウイークエンド」「気狂いピエロ」の3本立てを見ている。一日3本劇場で、映画を見るのが苦ではなかった(笑)。VTRもDVDもなかったし、娯楽は映画が大きかった。