「Keiko」は、アートシアター(ATG)系で公開されたので、地味な作品だった。
外国人から見た平均的な日本人女性の日常ということだが、監督自身の体験を反映しているのかどうか知らないが、よく描かれていた。
内容はほとんどがアドリブのような展開で、独身OLの日常にカメラを持ち込んだような、リアルで、そこに漂う孤独感と焦燥感などは、ジェンダー(男女差)を超えて、共感できるものがあったので、この映画の雰囲気はいまだに覚えている。こちらも、親から離れての独身生活だったので、納得できる、共通する部分も投影していたからか・・・。
ドキュメンタリー風で、特に大きな物語があるわけではない。
こんな話:
ケイコは一年ほど前、女子大を卒業し、家族のもとを離れ社会人として自由な生活をエンジョイしていた。しかし、最近は、ボーイフレンドもなく、オフィスとアパートの往復だけの生活に、焦りと孤独、そして、沈んでいく自分を感じていた。
そんなある日、喫茶店で、理想に近いような男・勝と知り合う。しかし、しばらくして、ケイコは、多くを語らない勝に、自分はセックスの対象でしかなかったことを感じて、二人の関係は終りを迎えた。
そんなとき、ケイコの前に、一人の優しい男が現われる。しかし、今のケイコには友情以上のものを感じることが出来ない。そして、失意のどん底で親しい女友達・カズヨと生活を始めた。
彼女は男性に求めていたすべてのものを友から与えてもらい、幸福な毎日を送っていた。だが、そんな夢のような生活も、家族たちの力で現実に引き戻され、彼女のもとを去らねばならなくなった。ケイコは、自由について、自問しながら生きていく…。
このケイコの焦燥感のようなものが理解でき、自身にも重ねてオーバーラップするように感じられ、印象に残る。
まったく目立たない小品だが、青春時代の似たような体験とだぶった、思い出が詰まったような映画だった。ちょっと”センチ”な映画と言ってしまえば、そうかもしれない(笑)。
(追記:今思うと、日本版「ブリジット・ジョーンズの日記」のような類の映画かも。)
思い出の青春映画:
①「おもいでの夏」
②「アメリカン・グラフィティ」
③「卒業」
④「ある愛の詩」
⑤「小さな恋のメロディ」
・・・ほか。
☆☆☆
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