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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「ソーシャル・ネットワーク」(2011)</span>

 

 
鬼才デビッド・フィンチャー監督「セブン」「ベンジャミン・バトン・数奇な人生」「パニック・ルーム」)の最新作「ソーシャル・ネットワーク」を見てきた。
実話がベースで、一部映画らしく脚色して、世界最大のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)「フェイスブックFacebook)」の誕生をめぐる人間ドラマを描いている。
この記事を書いているところに「ゴールデングローブ(GG)賞」で、作品賞、監督賞など4部門を独占した、とのニュースが飛び込んできた。ふむふむ、アカデミー賞はどうか。GG賞とアカデミー賞は連動しないケースが多いが・・・。
大傑作かと言われると、「暴風雨」がやってきて、さっと引いていった感じで、考える隙もないような映画だった(笑)。
この映画の主人公、マーク・ザッカーバーグは、「第2ビル・ゲイツ」(マイクロソフト会長、映画にも役柄で登場)ともてはやされているようだ。現在、26歳で、世界の長者番付の32(資産69億ドル=単純に6,000億円)。億万長者(ビリオネア:10億ドル以上)では最年少。
主人公に共感は出来ないが、「成功者」に対して、モノ申しても迫力に欠けるというもの()Facebookフェイスブック)は、SNSソーシャル・ネットワーク・サービス)では最大規模で、20111月現在、ユーザー数は世界で5億人。

さて、この映画。主人公の機関銃のようなスピードの話し方と同様に、スピーディに話が展開していく。名門ハーバード大学の学生2人で、「フェイスブック」を始めるが、2人は、激しく対立する局面を迎えることになる・・・。
全編に、低く流れる音楽がいい。
何かが起こりそうな予感。ホラーのような・・・。
かと思うと、パーティなどでは、胸にズシン・ズシンと突き刺さるような大音響の音楽もインパクトがある。
米国最古の伝統ある高等教育機関で、卒業生にはノーベル賞受賞者48人もいる。世界大学ランキングの第1位。映画関連では、トミー・リー・ジョーンズナタリー・ポートマンが同大学出身。
アメリカ映画のすごいところは、現存する人物であろうが誰であろうが、すぐに映画化してしまうところ。20代半ばで巨万の富を築いた若者を、時間を置かずに描いてしまう。日本では、なかなかあり得ない。
映画ではITがらみの専門の言葉がポンポンと飛び出す。「CFO」だの「VC」だの「株式の希薄化」だの「IPO」だの「ナップスター」だの・・・。これらについて多少は知っていないと、素通りしてしまうことになりそう。ちなみに「CFOChief Financial Officer:財務最高責任者」「VCベンチャー・キャピタル:ベンチャー企業に投資する投資会社」「IPOInitial Public Offering:株式上場」・・・。

Facebook」の語源って何?と思ったら、女子大生の(ルックス)写真を比較して、ランク付けするというサイトを始めたことによる。
マーク・ザッカーバーグは、頭は優秀らしい。なんでも100点満点のようだが、友人は23人しかおらず、典型的なオタク。
面白味もなく、自信家で、女性からも愛想をつかされる。言ってみれば、それを見返すためにはじめたのが「フェイスブック」だった。
フェイスブッククールでなければならない」とマークは言う。だんだんとこの意味するところがわかってくる。お金儲けのために、ある意味では当然のことだが、収入源のために「広告」をとる行動に出るのが、パートナーで親友のエドゥアルド。エドゥアルドは、広告交渉にはいずりまわる。
マークは、「フェイスブック」を広めるために、ハーバード大学以外の全米屈指の大学にも拡大をしようと、有力大学にアプローチしていく・・・。
ハーバード大学の学生兄弟の二人は、マークが自分たちの開発したプログラムを盗作したとして、理事会に訴えるが、取り合ってもらえなかったようで、学長にコネを使って面談にこぎ着く。学長は話だけは聞いたが、次元が違うと取り合わず、学生が数字のことを取り出すと「私は、元・財務長官だ」というところが、格の違いを見せつける(爆)。
フェイスブック」はクールで行くというのは、広告など目先の利益だけを追求して、「パイ」を小さくするなという意味で、「小さな魚を10匹取って満足するか、大きな魚1匹をとるか」といった意味の言葉が印象的だった。これを聞いたマークは、クールで行くことを貫こうとする。
アメリカの若者の単なるサクセス・ストーリーではなく、青春映画と言えなくもない。
テーマは、SNSと、今が旬の題材。もういちど見るか、DVDを購入することになるだろう。
 
※追加:アカデミー賞では「作品賞」「監督賞」など10部門でノミネートされた(「英国王のスピーチ」が12部門の最多ノミネート)。
 
キャスト
デビッド・フィンチャ-監督の主な作品:
エイリアン3Alien³1992年)
セブンSe7en1995年)☆☆☆☆
ゲームThe Game1997年) ★★
ファイト・クラブFight Club1999年) ☆☆☆
パニック・ルームPanic Room2002年)☆☆☆
ゾディアックZodiac2007年) ☆☆☆
ベンジャミン・バトン 数奇な人生The Curious Case of Benjamin Button2008年)
ソーシャル・ネットワークThe Social Network2010年) ☆☆☆
 
 ☆☆☆

 ※主人公、ザッカーバーグを演じたジェシー・アイゼンバーグは、当の本人ザッカー・バーグから「うまく演じていた」と言われたと、日本にPRに来た時に語っていた。脚本家も同席していたが、アメリカでは、実話を映画化する場合に、決して本人を中傷したり、傷つけたりはしないという基本があり、当然それを貫いたという。
 
 
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