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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「マジェスティック」(2001)

  
  
マジェスティック2001)は、1950年代のアメリカを舞台に、1人の脚本家が勇気と信念を獲得するまでを描いた感動作。監督・製作は「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」のフランク・ダラボン同じタイトルで、1970年代にチャールズ・ブロンソンのアクション映画もあったが、まったく別の作品だ。
ショーシャンクの空に」の感動に勝るとも劣らない作品
を見逃していたとは・・・。
勝るとも劣らない“と書いたが、ラストシーンの感動は「マジェスティック」が勝るかもしれない。まさか、こんなすばらしいラストシーンがあるとは想像もしなかった。
1950年代のアメリカは、赤狩り旋風が吹き荒れていて、その様子は「グッドナイト&グッドラック」でも描かれていた。「グッドナイト~」では、テレビのアンカーマンが、真っ向から赤狩り批判をして、正義の報道を貫いたが、その時代にもう一人、脚本家で、下院非米活動委員会を批判した人物がいたことを「マジェスティック」は描いている。

主演は、ジム・キャリーたいていの映画では、コメディが多いが、この「マジェスティック」は違った。                  
二枚目役で、公聴会の証言台に立たされて、あらかじめ準備された文章を読めば、自由になるはずだったが・・・。
1951年のハリウッド。新進脚本家のピーター・アプルト(ジム・キャリー)は、赤狩りの嵐が吹き荒れる中、非米活動委員会から共産主義者だと名指しされる。動揺したピーターは車で事故を起こして川に転落、近くの田舎町ローソンの住人に助けられた。
町の人々は、彼が第2次大戦に出征して行方不明になっている英雄ルークだと勘違いし、記憶喪失になっていたピーターはルークとして生きることになる。そしてルークの父ハリー(マーティン・ランドー)は、ルークの死にショックを受けてから長らく閉めていた映画館マジェスティックの再建を決意。
また、かつてルークの恋人だった法学生アデル(ローリー・ホールデン)が帰郷。ピーターは彼女に心惹かれ、町の人々の温かい気持ちに触れていくうち、次第にルークであることに馴染んでいく。そしてマジェスティックが再建。
しかしその矢先、ピーターは記憶を取り戻し、やがて事故車を発見したFBIが彼を逮捕。そして審問会に呼び出されて、宣誓した。
護士に耳打ちするピーター。
弁護士は、準備した転向声明文(自分は、共産党から抜ける。そして仲間の名前を教える)を読んで自由になるか、監獄行きになるか、どちらかだと伝える。
そして、ピーターの口から出た言葉は・・・。                                この映画が初出演となる女優、ローリー・ホールデンが、なかなか魅力的だ。グイネス・バルトロウ似で、司法試験に合格するアデルを演じている。アデルは「アメリカには合衆国憲法がある。表現の自由は保障されている。思想信条の相違による差別は許されない。審問会でウソの転向声明を読みあげるなんてダメだ!」と叫ぶ。
しかし政治的にノンセクトのピ-タ-は、「それは法学部での議論だ。現実はそうじゃない。これを読めば無罪放免となる。読まなければ監獄行きだ。僕は自分が幸せになりたい!」と反論する。
 
議論は平行線のまま、ピ-タ-は審問会へ出頭するため汽車の中の人となった。 
汽車に乗る時に、ピ-タ-は、アデルの父親から「アデルからだ」という小さな小包を受け取った。汽車の中で封を開くとそれはアメリカ合衆国憲法の小冊子だった。
 
合衆国憲法では、表現の自由は保障される、集会の自由も保障されるとうたわれていることをアデルはピ-タ-に伝えたかったのだ。そして、小冊子にはさまれていたのは、戦地に向かうル-クから恋人アデルに宛てた手紙だった。
 
手紙の内容が素晴らしく、これを読んだピーターは、ある考え方に変わっていくようだ。
そして迎える公聴会。このクライマックスのピーターの勇気ある発言が素晴らしい。
超お勧めの作品だ。
 
☆☆☆☆