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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「女たちは二度遊ぶ」(2010、オムニバス5話)</span>

 

女たちは二度遊ぶ」(2010)は、もともと携帯向け動画配信ドラマだったが、7月に限定期間、劇場公開された。監督は、行定勲
 
5話からなるオムニバス映画で、共通のサブタイトルは「小説家の男は今日も苦しんでいた
 
小説家に扮したユースケ・サンタマリアは、原稿を書くために喫茶店に終日張り付いていたが、原稿が思うように進まない。1杯のコーヒーで、一日中、粘っている小説家に対して喫茶店のウエイトレスは、うんざりした表情で、いい加減出て行ってくれという態度をとる不細工な店員。小説家は、お構いなしといった態度を取っていた。
 
テーブルの上の携帯が音を立てて鳴り響く。見ると出版社の編集部からの電話だ。電話の鳴り続けている間は、耳をふさいで、鳴りやむのを待ったり、挙句の果てには、電源をオフにしてしまう始末。
 
原稿を書いては、破って捨てというのを繰り返していると、おもしろいことに、ほかの客の話が聞こえてくる。その中で、原稿のネタになりそうな話があり、聞き耳を立てて、タイトルを考え、小説にしていくことを繰り返していく。
 
5つのエピソードの内、4つは、原作通りだが、5本目の「つまらない女」は、オリジナル作品。
 
「どしゃぶりの女」(相武紗季柏原崇
「自己破産の女」(水川あさみ高良健吾
「夢の女」(小雪小柳友
「平日公休の女」(優香塚本高史
「つまらない女」(長谷川京子ユースケ・サンタマリア
 
この中では、「平日公休の女」の優香がいい。
 
あるとき喫茶店に編集者が来て、これまでに書いた4本の原稿は、好評だったという。小説家は、今までの話は、聞いた話をまとめたものだと編集者に言う。「だったら、自身に関係した話を書いてほしい」と編集者から依頼されるのだが・・・。
 

小説家自身は、まったく日常は平凡で、材料になるような話はないと、悩み続ける。家に帰ると、実は結婚はしていないが、夫婦同様に6年間一緒に住んでいる志穂(しお)という女性(長谷川京子)がいるのだが、「ひとりにならないと原稿が書けない」と別居を申し出る。相手は、理解して、実家に帰ってしまう。
 
単調なわびしい生活が始まる。
 
あるとき、母親から電話があり、志穂が交通事故でけがをしたという。病院に駆けつけるユースケ。事故にあって足を怪我した志穂だったが、実は、とんだオチが・・・。
 
 
原作:吉田修一
監督:行定勲
 
「夢の女」では、大学生がナンパをしようとして、友達と二人で、ある駅のエスカレーターで、上がってくる女性をチェックしていたが、みな田舎っぽい外見の女ばかり。友人いわく「この駅はレベルが低くないか」という。そんななか、スタイルもよくお嬢様風の洗練された女性が現れ、目が釘付けになる。
ブルーのワンピースで、センスがよさそうな女性を演じているのは小雪。どんな豪邸に住んでいるのかと、探偵のように後をつけていくと、そこは安アパートだった・・・。現実と夢が交錯したストーリーだった。東京タワーを背景にしているので、港区の白金あたりか。
それぞれのエピソードは、短いが、それなりに面白い。
まったくブスで、いやみたっぷりだった喫茶店の店員も、小説を読んで、急に小説家に対する態度が変わっておかしい。
映画は、「つまらない女」の原稿が完成して、編集者に見せると、「これはいい」と高い評価。献身的に作家を支えようとする女(長谷川京子)が帰ってくることで、元気を取り戻すユースケ・サンタマリア。余韻のあるエンディングだった。