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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「死刑台のエレベーター」(2010、日本映画)</span>

 

 

 

 
さいたま新都心駅から2分の距離にあるシネコンMOVIXさいたまで、初日の最初の回で見た(925~)。まだ、劇場前のシャッターが閉まっていて、830に到着したら、シャッターが開くまで20分待った(笑)。
 
最近はこの映画館で見ることが多い。
焦って見に行く必要のない映画だった(泣)。
 
ルイ・マル監督の名作「死刑台のエレベーター」をリメイクするとはなんと大胆な!(笑)角川映画。オリジナルの「死刑台のエレベーター」がニュープリントで公開されるので、それに合わせて、新しい観客を掴むための話題作りか。
 
オリジナルは歴史的な名作となっているので、別物として見た方がいい。
 
期待が大きかった分だけ、その落差に愕然でした(笑)。
 
リメイクは、さまざま現代風にアレンジしてあり、何しろ舞台は横浜や箱根だ。
 
携帯電話がある現代で、エレベーターに閉じ込められる?という疑問は吹き飛んだ。新作「死刑台エレ」では、ケイタイについては、当然脚本に盛り込まれていた。そういうことだった!
 
予告編で、繰り返し流れていた吉瀬美智子のセリフそのままの言葉がいきなり冒頭から。吉瀬の超ドアップの顔から始まる。顔の毛穴からほくろの数が6個まで(笑)細かく見える。それにしても美人系だ(爆)。
 
これから見る予定の人は、さらっと読むか、無視していただきたく・・・。
 
映画は、医療グループの社長、手都津川雅彦)の夫人・芽衣子(吉瀬美智子)の独白で、展開していく。オリジナルで、ジャンヌ・モローが演じた役柄だ。
 
リメイク作品では、さまざまな味付けで現代風に置き換えられている。芽衣子は、若き医師・時籐(阿部寛)と不倫関係にあった。2人は芽衣子の夫を自殺に見せかけて殺害することを計画。その実行日は、外国の要人が来日して、警察の警護がそちらにほとんど集中して、ある時間帯だけ、無人になる時間がありその15分程度の間に実行することで、完全犯罪が成立するはずだった・・・。
 
この映画の面白さは、別々に進行している場面が、やがて一つに結びついていくところにある。オリジナルでは、ロープを忘れてきてしまうところから、アシがつくストーリーだったが、今回は、ロープを外そうとするが、うまく取り外せず、秘書の手前、いったんは一緒に外に出てから、ロープを取り返すために、またオフィスビルに戻ったところで、エレベーターが止まってしまう。
 
ビルのエレベーター管理の守衛に扮しているのが、脇役専門で最近の話題作には必ず登場する笹野高史だ。どこにでもいそうなひょうひょうとしたおじさんを演じたら、うまい役者だ(「おくりびと」「百万円と苦虫女」など)。わずかなタイミングで、エレベーターに閉じ込められてしまった時藤は、エレベーターから脱出するために、さまざま試みるが・・・。

脇役と言えば、「悪人」にもでていた柄本明が、警察の刑事役で出ている。いろいろと映画に出過ぎではないか。
 
一方、カフェで待つ芽衣子は、一向に時藤が現れず、焦りを感じてくる。しかも、カフェの前を、時藤の車が通っていく。運転席は見えなかったが、隣の席には若い女の姿が見える。「なぜだ?」、ますます不安になる芽衣子。
 
あれこれ思いを巡らし、夜の街をさまよう芽衣子(横浜のみなとみらいあたりの背景が映し出される。元町あたりか)。バーでひとり飲んでいると、偶然時藤と同期だったという医療関係者と出くわしたりする中で、時藤は、人を裏切るような人間ではないことを知り、計画は間違いなく実行されたと確信していく。
 
同じころ、若いカップルが、時藤のオープンカーが、駐車されているのをみて、盗難して、カップルの男がチンピラに暴力を振るわれて、拳銃を奪われたのを取り返そうとして追跡する。この若い男、赤城巡査(玉山鉄二)だった。

若い女北川景子)は、理容室に務めていて、時藤も客の一人として面識がある。北川景子は、もっときつい顔立ちかと思ったら、子供っぽいキュートな感じで出ている。
 
拳銃はすでに暴力団組織の組長の手元に届いていた。この組長の車を追跡して、箱根のホテルで、新たな殺人が・・・。赤城巡査が、ヤクザ親分と、その愛人(かつての自身の恋人)を銃で撃ってしまう(現職の巡査があり得ない、と思うが・・・)
 
カメラ・マニアにとっては、ドイツのライカは名品で、このライカが盗んだ車の中にあった。このライカで撮った写真が、最後の証拠になるのだが・・・。フィルムの現像所に証拠になってしまうフィルムを取り返そうとして、待ちうけていた刑事に逮捕される。
 
関係なさそうな人物が、過去に関係があったりと、ストーリーとしては出来すぎの感はある。組長の情婦に扮しているりょうが、追っていた赤城巡査の元カノだったというのだから。りょうは、出番は少ないが、ものすごい形相で、みどころはあった。
 
全体としては、ラストシーンで、もっと驚く何かがあると思ったが、それほどではなかった。日本映画でも、スタイリッシュで、外国映画を見ているような錯覚を覚える映画だった。
 
オリジナルが、100点、ならリメイクは60点。かろうじて及第というところか。そう簡単にオリジナルと並ぶことは不可能ということを証明した映画だった。リメイクの宿命だ。ほかに平泉成などが出演。
 
★★
 
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