「バットマン」(1989)予告編
「バットマン」(1989)を劇場で観て以来20年ぶりに、きょう2度目の観賞。
たまたまGyao動画で見られるので、お気に入り女優のキム・ベーシンガーをもう一度見てみました。
バットマン・シリーズ映画の原点となったのが、この「バットマン」第1作。ティム・バートンが監督。ティムの前作「ビートル・ジュース」の主役、マイケル・キートンが、ブルース・ウエイン(バットマン)を演じた。マイケル・キートンというとラブコメなどのイメージが強く、重厚なバットマンには不似合いという意見が多かったようだ。確かに線が細いような印象がある。
「バットマン」のジョーカー役のジャック・ニコルソンの驚くべき怪演が見もの。映画の製作費の「50%」という高額なギャラ(ギャランティ)といわれ話題となった。しかも、興行収入の一定額を受け取ることのできる契約によって、最終的に報酬は6000万ドル(約60億円!)に達した。
ストーリーは、犯罪都市ゴッサム・シティで、ギャング組織と戦うヒーロー物語。バットマンの誕生は「バットマン ビギンズ」で詳しく明かされるが、「バットマン」(第1作)でも、ウエイン(バットマン)が小さいときに両親がチンピラ(のちのジョーカー)に殺されたことから、その復讐に立ち上がるストーリーでもある。ウエインの執事で、後見人のアルフレドは、ウエインの両親の親友だった。
「コウモリ男」と呼ばれるバットマンは、ゴッサムシティの住人からは、味方なのか敵なのかは分からない存在だったが、特ダネを狙う新聞記者ノックスと聡明な女性カメラマン、ヴィッキー・ベール(キム・ベシンガー)は周囲に冷やかされながらもバットマンの素性を追及していく・・・。
この映画のキム・ベーシンガーが、魅力を振りまいている。ベーシンガーはなんといっても、「ナイン・ハーフ」でノックアウトされて以来のファン。その直前に「007 ネバーセイ ネバーアゲイン」に出演していたが、それほど目立たなかった。ところが、「ナイン・ハーフ」で見せたセクシーな踊りとエロティシズムは!(笑)。
その後は「LAコンフィデンシャル」(1997)の高級娼婦役で、妖艶な美しさを見せた。その演技は、アカデミー賞助演女優賞をもたらした。「LAコンフィデンシャル」は、1990年代のマイ映画ベスト5の1本。
おっと脱線。
「バットマン」の見所は、バットマンカー。重装備の特殊な車で、リモコンでも動くし、非常事態には、「シールド ON/OFF」で、窓がすべて装甲車のように早変わりする。狂気のジョーカーのキャラクターも大きな見所。ジャック(ジョーカー)が、口裂け男の異形の顔になったのは、ジャックがバットマンに向けて拳銃を発砲したところ、バットマンの鋼鉄の鎧にあたった玉が反射して顔を直撃したものだ。以来、口が裂け、常に不敵な笑いをしているような顔つきになる。「顔は笑っているが、心は泣いている」(ジョーカー)と語るシーンもある。
全体的に暗い映画だが、ユーモアもちらりとある。
カメラマン、ビッキー(キム・ベーシンガー)が危機に陥った時に、バットマンが、ワイヤー・ロープでビッキーを吊るして、助けようとして時に、バットマンが女性であるビッキーに聞く場面だ。「体重は?」。ビッキーは応える「50キロくらい」と。ところが後で、バットマンが、「50キロより重かったようだ」というと、「あらっ、本当?!」と軽く受け流すのだ(笑)。
女性に体重は聞かないほうがいいようだ(爆)。
全編に流れる音楽は重厚で、映画を盛り上げていた。
ヴィッキー・ベール:キム・ベイシンガー
アレクサンダー・ノックス:ロバート・ウール
アルフレッド・ペニーワース:マイケル・ガフ
ジェームズ・ゴードン総監:パット・ヒングル
ボルグ市長:リー・ウォレス
ボブ:トレイシー・ウォルター
アリシア:ジェリー・ホール
エクハート警部補:ウィリアム・フットキンス
カール・グリソム:ジャック・パランス
監督:ティム・バートン
音楽:ダニー・エルフマン
「バットマン」シリーズは、新シリーズを含めて、現在まで6本制作されている。
「バットマン」(1989)シリーズ第1作。☆☆☆
「バットマン リターンズ」(1992)シリーズ第2作。★★
「バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲」(1997)シリーズ4作
「バットマン ビギンズ」(2005)新シリーズ第1作 ☆☆☆
「ダークナイト」(2008)新シリーズ第2作 ☆☆☆☆
バットマンの誕生を描くシリーズ第5作は、前4作のヒーローものとは異なり、人間ブルース・ウェインの内面の葛藤など真実味のあるドラマとして描いている。クリストファー・ノーラン監督は、有名俳優を起用して、壮大なドラマに説得力を持たせた。ブルースと執事アルフレッドの関係なども味わいが深くなっている。