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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「尼僧物語」(1959)・・・オードリー・へプバーン。</span>

 




     ラストシーン
 
尼僧物語」(原題:The Nun's Story)は、1959年の米国映画。
 
オードリー・ヘプバーンの映画の中では、修道女を演じているというので、固い映画かなと思い、長年敬遠していたが、DVDもあるので、今回初めて見た。
 
修道院の内部は、普段は伺い知れないが想像以上に厳しい掟、決まりがあり、ヘプバーンが医療の面では、すばらしい力を持っているが、修行の末に出した結論は、自分には向いていない・・・ということで、還俗(世俗に戻る)までを描いて、予想以上に見ごたえがあった。2時間30分の長さも感じなかった。
 
ローマの休日」から数年後のヘプバーンだが、美しさが一段と際立っていた。修道院に入って、長い髪を、バッサリとカットするシーンがあって、「ローマの休日」の理容室でショートカットにするシーンとダブってしまう(笑)。
 
監督は、フレッド・ジンネマン1907年4月29日~1997年3月14日、89歳没)。
 
ジンネマンといえば、「真昼の決闘」が有名だが、その次には「地上(ここ)より永遠(とわ)に」(1953)を思い起こす。この作品と、のちの「わが命つきるとも」(1966)で、アカデミー賞の監督賞をそれぞれ受賞している名監督である。もちろん「ジャッカルの日」「日曜日には鼠を殺せ」も忘れてはならない。
 
さて「尼僧物語」は、冒頭恋人、ジーンへの思いを断ち切る看護婦のガブリエル(オードリー・ヘプバーン)が、婚約指輪をはずし、ジーンと映っている写真たてを裏返し、「ジーンに返却してください」という置手紙をおいて、医者である父親に別れを告げるシーンで始まる。修道院に入りたかったのは、自身の医療を通じて、アフリカ・コンゴの恵まれない子供たちや人々を助けたいという目的があったからだ。
 
修道院に入ると、ガブリエルのような志願者が、10数人ほどいた。ガブリエルは修道女の戒律を学び、五日後には修道志願女となり数ヶ月に及ぶ厳しい戒律生活に身を投じることになった。戒律と懺悔の日々。あまりの厳しさに脱落していく志願女がいる中、ガブリエルは見習い尼になる。
 
その前夜、髪を短く刈られ、またそれまで自分と俗世との唯一のつながりであった、恋人から贈られた金飾りのついたペンを投げ捨てた。俗世との完全な別離の瞬間であった。
ガブリエルはシスター・ルークという名を与えられ、正式の尼僧になるべく修行を続ける(HPより)。
 
修道院内では、「世俗のものはすべて捨てること。家族も、品物も、これまでの思い出【記憶】も・・・」という基本があって、さらに"自尊心“もだった。殺人者に対しても、寛容が要求された。ガブリエル(のちにシスター・ルーク)がどうしても捨てることができなかった自尊心“であり、父親が戦争のために殺されたことが引き金になって、自尊心のため、戦争の敵への憎しみのため、俗世間に戻る決断をするのであった。
 
決断までには、大いに苦しむことになる。コンゴでは、外科医フォルテュナティ(ピーター・フィンチ)の助手を務め、その手腕は高く評価された。しかし、戦争が勃発し、中立国のベルギーに対してドイツ軍が砲撃を加え、そうした中でも、常に尼僧は全てに対して慈悲の心を持たなければならず、ベルギー降伏後も、尼僧は地下運動に参加してはならぬ、と厳重にいましめられる。同胞を敵の手から守りたい思いに駆られ、シスター・ルークは葛藤の末に遂に決断し、尼僧の衣を脱ぎ、衣服に着替え、修道院に別れを告げ、一人街へと踏み出して行くのであった・・・。
 
映画を見ていると、修道院が、独特の戒律があって、「自尊心も捨てること」「私語は一切禁止。手話のみ」「(ほかの修道女のために、故意に)試験に落ちるように」・・・など理解しがたい戒律もあり、修道院のあり方に疑問を投げかけているのかという印象を持った。
 
先輩の修道女が、つい「私も小さい頃は(・・・)」と思い出話をうっかりしそうになり、あわてて口をつぐむシーンがあり、ユーモアもある。一方、コンゴの優秀な医者を演じたのがピーター・フィンチ。
 

ピーター・フィンチは、この映画では、無神論者で、ヘプバーンに疲れをとるためにと「ワインを飲むように」と勧める。
 
近くにペットの子ザルがいたが、「誰も見ていない。こいつ(サル)だけだ」と言って、“見ざる、言わざる、聞かざる”(日光の東照宮か?爆)というポーズをするところなども、茶目っけのある性格で面白い。ピーター・フィンチが若い。
 
ピーター・フィンチといえば、「赤いテント」(1970)の主役のノビレ将軍の内面を描いていたのが印象的だが、のちの「ネットワーク」(1976)では、アカデミー賞主演男優賞を獲得するも、直後にまだ60歳という若さで亡くなっている。
 
これで、ヘプバーン映画の鑑賞も、さらに1本追加!(ワインはないかな?爆)
 
出演:
ガブリエル(シスター・ルーク):オードリー・ヘプバーン
フォルテュナティ博士:ピーター・フィンチ
マザー・エマニュエル:イーディス・エヴァンス
マザー・マルセラ:ペギー・アシュクロフ
バン・デル・マル博士:ディーン・ジャガー
 
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