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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「バベル」(2006年、公開2007年)</span>


 
「バベル」予告編

 
「バベル」は、「21グラム」などで知られるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督2006年作品(日本公開は20074)。やっと昨日見ました。
 
この映画が公開された当時は、まったく無名の日本人女優、菊池凛子が、各種映画賞で、賞を獲ったり、なかでもアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたことで、注目を集め、「菊池 Who?」という記事を書いたことがある。
 
オムニバスのように、ばらばらな話が、あるとき、交差するという面白さがある。
 
いきなりモロッコのシーン。
山羊飼いのアブドゥラは知り合いから一挺のライフルを買い、それを山羊に近づくジャッカルを追い払うためとして息子の兄弟アフメッドとユセフに与えた。兄弟は遠くの標的めがけて遊び半分で射撃の腕を競い合い、ユセフが険しい山間部を走ってくる一台のバスに引き金を引く。そのバスには、一組のアメリカ人夫妻リチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)が乗り合わせていた。彼らは、生まれて間もない3人目の子供を亡くしたことがきっかけで壊れかけた絆を取り戻そうと、2人だけで旅行にやってきたのだった。ところが、どこからか放たれた銃弾が運悪くスーザンの肩を直撃してしまう・・・。
 
そこから思わぬ展開に・・・。
 
アメリカで暮らす留守宅の子供たちと乳母。夫妻がアメリカに残してきた幼い子供たちマイクとデビーの面倒をみるメキシコ人の乳母アメリア。息子の結婚式に出るため帰郷する予定が、夫妻が戻らず途方に暮れる。やがて彼女は仕方なく、マイクとデビーも一緒に連れてメキシコへと向かうのだった。
 
結婚式に参加した後、メキシコから帰るときに、検問で乳母の違法就労、運転手の飲酒などが発覚し、車は逃走し、事件に発展。
 
日本では、妻が自殺して以来、父娘関係が冷えきっている東京の会社員ヤスジロー(役所広司)と女子高生(菊池凛子)になる聾唖の娘チエコ。またチエコは満たされない日々に孤独と絶望を募らせていた・・・。
 
役所は、ハリウッド映画には、「Sayuri」など数本出演しているが、「バベル」では、ハリウッドのトップスター、ブラッド・ピットケイト・ブランシェットなどとの絡みは一切ない。
 
それにしても、菊池凛子の、この映画での存在感は大きい。
 
一見何の脈絡もないストーリーが別々に進んでいくが、これらが徐々に絡み合っていき、つながっていく。そのあたりの演出は見どころがある。
 
アメリカ人夫婦役を演じるのはブラッド・ピットケイト・ブランシェット。モロッコで突然の悲劇に見舞われるが、パニック状態に陥った時の人間の行動は、いかに自己中心になってしまうものなのか…。エゴむき出し。他人の迷惑よりも自分と妻のことばかりに奔走。モロッコの住民は、貧しさはあっても、かえって冷静で沈着。
 
ロッコの事件で使用されたライフルの所有者として、ヤスジローの名前が浮かび上がってくる・・・。
 
ロッコで、アメリカ人観光客が、銃で撃たれたニュースは米国でも大きな話題となり、政府関係者は「テロ」の仕業と決めつけるが、モロッコ側では、テロは存在しないと言明するなど、政治的な取り上げ方をするアメリカが浮き彫りにされていた。
 

 
メキシコ人の乳母アメリアを演じた女優、アドリアナ・バラーザがすばらしい。
 
難題に直面した時の表情が豊かで、菊池凛子とともに、同一映画でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。
 
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アドリアナ・バラーザ
 

☆☆☆

 
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