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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「善き人のためのソナタ」(2006)

善き人のためのソナタ」(2006、原題: DAS LEBEN DER ANDEREN/THE LIVES OF OTHERS)は、久しぶりに見ごたえのあったドイツ映画。

 

1984年からベルリンの壁崩壊のあった1989年までの東ドイツを舞台に、強固な共産主義体制の中枢を担っていたシュタージ(国家保安省)の実態を暴き、彼らに翻ろうされた芸術家たちの苦悩を浮き彫りにした話題作。

 

観終わって”満足感”を味わえる映画だった。

 


タイトルの“善き人のためのソナタ”とは、シュタージ(国家保安省)の局員として芸術家カップルを監視する主人公が、盗聴を続ける屋根裏から聴くピアノソナタのこと。

 

芸術家たちが、盗聴など24時間監視されていたというのが衝撃的。

 

監督フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク歴史学者や目撃者への取材を経て作品を完成。

 

アカデミー賞外国語映画賞ドイツ代表作品としても注目を集めた。
恐るべき真実を見つめた歴史ドラマとして、珠玉のヒューマンストーリーとして楽しめる(HPより)。

 

西側の作家などのアパートに盗聴器を仕掛け、それを24時間聞いて、記録に残している秘密部隊が存在した。舞台女優も、はじめはシュタージの命を受け東ドイツに住む西側の作家に近づいたのだが、親しい関係になって、最後には所有が禁止されていた「タイプライター」のありかをシュタージに教えてしまうのだが・・・。

 

盗聴していた監視担当者が、作家のピアノの音楽に魅せられて、やがて、彼らをかばう行動に出てしまう。それが発覚して自身は、20年の苦役とも言うべき郵便処理(切手貼りと配達など)に回されてしまう。

 



 作家は、盗聴を後に知り、ベルリンの壁崩壊後は自由に記録を閲覧できるようになり調べていくと、自分に味方をしてくれている人間の存在に気づく。その人間は、暗号数字で呼ばれていた・・・。

 

壁崩壊後、2-3年して、作家の新書「善き人のためのソナタ」が書店を飾っていた。

 

その書籍を見た元監視員・郵便係は、その本をめくると、目をくぎ付けにさせられる文章に出くわすのである。このラストシーンは、感動的!

 

1984年当時は、西ドイツに住んでいて、東ベルリンにも出かけたことがある。

 

ベルリンに在住の友人の話では、東ドイツでは、当時は密告などが日常的に行われていたという。

 

数年後のベルリンの壁崩壊のニュースをTVで見た時には、驚いた記憶がある。

 

東西の緊張は一気になくなり、東ドイツが西ドイツと統合したが、当初は混乱があったようで、ベルリンの友人も、ベルリン市内に東からどっと人が押し寄せてきたので、これは大変と郊外に越したという連絡を受けた。

 

善き人のためのソナタ」というタイトルも、映画を見ると、うなずけるタイトルだった。

 

出演:
ウルリッヒ・ミューエ・・・盗聴の監視役で、次第にアパートのカップルに傾倒していく”善き人”。
マルティナ・ゲデック・・・作家の恋人役。 (ドイツの女優で、「マーサの幸せのレシピ」主演)
セバスチャン・コッホ・・・主人公の西側の作家 。(「ブラック・ブック」の将校役)



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