佐藤慶といえば、仲代達矢などと並び、日本映画を支えていた個性派俳優で、「儀式」「白昼の通り魔」が印象的だが、世間をあっと言わせた、中年男と若い女の、いわゆる“本番”シーンが話題になった「白日夢」などが有名。
とくに、冷徹・非情な悪役が多かった。社会派映画から娯楽時代劇まで幅広いジャンルの、どちらかといえば名脇役として活躍した。
ニヒルで知的な容姿を生かしたクールな役で存在感を発揮した。日本のヌーベルバーグと言われた時代の申し子のような存在で、ヌーベルバーグの代表監督、大島渚作品に多く出演したほか、新藤兼人、小林正樹、今井正ら巨匠、名匠の作品に多く出演した。エキセントリックな役柄も演じ、主な作品では「切腹」「鬼婆」「青春残酷物語」「連合艦隊」などがある。
冥福を祈ります。