アカデミー賞で作品賞、監督賞と主要部門を含む6部門を獲得した「ハート・ロッカー」を見てきた。アカデミー賞史上で女性ではじめて監督賞に輝いたキャスリン・ビグローが時の人となった。
ビグローはこの映画で一躍有名になったが、監督作品として、これまでにも注目作品はあった。
それだけ重く、インパクトがあるというふうにも考えられます。
映画は、タイトルは出ずに、数行の言葉が字幕ででて、その最後には「戦争は麻薬である」という言葉があった。
そして、いきなり戦場の画面がでてくる。
最初に映画のタイトルが出ない映画というのは見た記憶がない(笑)
映画の最後に、出演者のクレジット、タイトルが出てくる。
あえてひっくり返したと思われるが、それがかえってリアルさを増したようだ。
あえてひっくり返したと思われるが、それがかえってリアルさを増したようだ。
いきなり戦場に放り投げられた気分。
映画は、ドキュメンタリーを見ているようで、実戦さながら。映画とは思えない。
とくに誇張も抑揚もなく、たんたんと重装備した兵隊と爆弾を探し当てるロボット・カーがでてきて、遠隔操作で、ロボットを通じて爆弾を探し歩いていく。”対象物”に目星をつけると、ロボットカーの手がていねいにつまみ上げていく・・・。
いつ爆発するかもしれない恐怖感と背中合わせであることは間違いない。
アメリカ軍の危険物処理班は、仕掛けられた爆弾の解体、爆破の作業を進めていた。だが、準備が完了し、彼らが退避しようとしたそのとき、突如爆弾が爆発した。罠にかかり殉職した隊員に代わり、また新たな“命知らず”が送り込まれてきた。地獄の炎天下、処理班と姿なき爆弾魔との壮絶な死闘が始まる―― (Gooより)。
最初の30分くらいは、単調で(不覚にも)睡魔に襲われてしまったが、爆発の音も含めた凄まじさは驚異。この映画のすごいところは、登場人物のアップが多用され、目の動きや表情などが細かく伝わってくる。
炎天下の中で、見えない敵に銃を構えるときなど、のどの渇き、顔は水分もなくなり乾ききってしまい、ハエが顔にとまっても、かまっていられない状況などが苛酷さを物語っていた。
爆弾物処理班に参加している兵隊は、1年単位のようで、あと何日、何日という字幕が出る。
参加している兵士は、さまざまな思いで参加している様子が描かれる。妻を残してきているが、離婚同然というものもいれば、子供と妻を残して参加しているもの、などなど。
敵がいるらしい場所を見つけて、2,3人のチームで銃を構えて敵を追っていくシーンは、まるでかつてのTV戦争映画「コンバット」のようだった。
アメリカ兵が動くたびに、カメラもその動きに合わせて動き、緊迫感があった。
カメラが左右に、計ったようにカチ、カチ・・と切り替わるところは、気持がいいほど(笑)。
戦争を題材にしているものの、監督が訴えたかったのは内面に深く迫る人間ドラマを描きたかったのではないか。
かなり好みが分かれる映画で、絶対のお勧めというよりは、話題になっているので、
お時間のある方は・・・。
お時間のある方は・・・。
DVDでもいいかなとやや辛口です。★★