小津安二郎監督の「浮草」(1959)を見た。
たまには、昔の名作にも目を向けます(爆)。
「浮草」は、ドサ周りの一座を中心にした人間ドラマ。
小津監督の独特な雰囲気が出ていて、中村鴈治郎の親方(座長)をめぐる人間関係が描かれる。
京マチ子が、勝気な性格と、親方が客も呼べないような場所に何故来たのかを不審に思って問い詰める
姿など有無を言わせぬ迫力がある。
京マチ子が、勝気な性格と、親方が客も呼べないような場所に何故来たのかを不審に思って問い詰める
姿など有無を言わせぬ迫力がある。
若尾文子も、当時は美貌と演技で存在感があった。
座長とすみ子は、一座では、ともに欠かせない中心人物だったが、親方のかつての愛人の
存在をかぎつけて、互いにののしりあう関係となり一触即発。
存在をかぎつけて、互いにののしりあう関係となり一触即発。
一座は、解散することになり、座長は、かつての知り合いを頼って電車で町を出ようとすると、
駅にはすみ子がいた。すみ子もどこへという行く当てもなく、親方と行動を共にすることになる。
駅にはすみ子がいた。すみ子もどこへという行く当てもなく、親方と行動を共にすることになる。
「もう一旗あげるために、やってみようか」(親方)
「うん、やろう、やろう!」(すみ子)
列車は、新天地で再起を誓う二人を乗せて出発する。
志摩半島の西南端にある小さな港町の相生座に何年ぶりかで嵐駒十郎(中村雁治郎)一座がかかった。
一座には、座長の駒十郎を筆頭に、すみ子、加代(若尾文子)、吉之助など総勢十五人がいた。
駒十郎とすみ子(京マチ子)の仲は一座の中では公然の関係で誰もが知っていた。
お芳は清には、駒十郎は伯父だと言い聞かせていたが、すみ子が感づいた。
妹分の加代をそそのかして清を誘惑させ、せめてもの腹いせにしようとしたのだった。
やがて、加代と清の仲は、加代としても抜きさしならぬものになっていた。
清が加代に誘われて家を出たまま、夜になりても帰って来ないという事態に。
駅前の安宿で、加代と清は一夜を明かし、仲を認めてもらおうとお芳の店へ帰って来た。
駒十郎は加代を殴った。清は加代をかばって駒十郎を突きとばした。
お芳はたまりかねて駒十郎との関係を清に告げた。
清は二階へ駆け上った。駒十郎はこれを見、もう一度旅へ出る決心がついた。
夜もふけた駅の待合室、そこにはあてもなく取残されたすみ子がいた。
すみ子は黙って駒十郎の傍に立って来た。駒十郎がタバコに火をつけようとするがマッチがない。
すみ子がマッチを差し出すが、しぶしぶ、その火をもらう。
すみ子がマッチを差し出すが、しぶしぶ、その火をもらう。
所詮は離れられない二人だったようだ。
淡々と描かれる中にも、台詞回しや俳優の演技も見るところがあった。
小津監督の特色か、同じせりふを繰り返して印象付ける。
小津監督の特色か、同じせりふを繰り返して印象付ける。
しばらく、小津監督のいろいろな作品を見てみたくなった。
キャスト(役名)
中村鴈治郎 (嵐駒十郎)
京マチ子 (すみ子)
若尾文子 (加代)
浦辺粂子 (しげ)
三井弘次 (吉之助)
潮万太郎 (仙太郎)
伊達正 (扇升)
島津雅彦 (正夫)
田中春男 (矢太蔵)
中田勉 (亀之助)
花布辰男 (六三郎)
藤村善秋 (長太郎)
丸井太郎 (庄吉)
入江洋佑 (杉山)
星ひかる (木村)
杉村春子 (本間お芳)
川口浩 (本間清)
笠智衆 (旦那)
野添ひとみ (小川軒のあい子)
京マチ子 (すみ子)
若尾文子 (加代)
浦辺粂子 (しげ)
三井弘次 (吉之助)
潮万太郎 (仙太郎)
伊達正 (扇升)
島津雅彦 (正夫)
田中春男 (矢太蔵)
中田勉 (亀之助)
花布辰男 (六三郎)
藤村善秋 (長太郎)
丸井太郎 (庄吉)
入江洋佑 (杉山)
星ひかる (木村)
杉村春子 (本間お芳)
川口浩 (本間清)
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