ジーナ・ローランズがクールな犯罪者を演じた「グロリア」（1980）。
ニューヨークを舞台に組織を裏切った家族が皆殺しにあうが、殺される前に父親が、息子フィルをグロリアに預ける。グロリアは実は組織の一員だったが、足を洗おうとしていたのだった。
グロリアと少年（6歳）の逃亡生活が始まるが・・・。
この6歳のプエルトリコ人の子供が、ませていて、グロリアとの逃亡の中で、心を通わせることになる・・・。
後にこの映画は、シャロン・ストーンでリメイクされたが、そちらはあまりいい出来ではなかったようだ（笑）。
サウス・ブロンクスのあるアパート。
彼の妻ジェリ(ジュリー・カーメン)、祖母、そして10歳の姉と6歳のフィル(ジョン・アダムズ)らは、この物物しい事態の中でうろたえていた。実はジャックはある組織の会計係を担当しており、その組織の大金のありかをFBIに洩らしたことから、彼らに命を狙われるはめになったのだった。
フィルら一家が恐怖に襲われている時、同じフロアに住むグロリア(ジーナ・ローランズ)という女性がドアをノックした。彼女は、コーヒーを借りにジャックの家を訪ねて来たのだが、その異様な空気を敏感に感じ取り、ジャックのフィルを預かってくれという突然の願いを聞き入れた。そしてさらにジャックは詳細の秘密を記したノートをフィルに託した。
子供嫌いのグロリアだったが、いやがるフィルをつれて部屋に戻った瞬間、ジャックの部屋では大爆発が起き、グロリアは一家が惨殺されたことを知った・・・。
グロリアと名のるこの女は、実はショーガール出身で、例の組織のボス、トニー・タンジーニ(バジリオ・フランチナ)の情婦だった女だった。昔の仲間を敵にまわすはめになった彼女は、しかし、この6歳の少年を守ることに全てを賭ける気持ちになっていた・・・。
ニューヨークの雰囲気は、あの「タクシー・ドライバー」を髣髴とさせる。
映画のオープニング・シーンでは、俯瞰撮影で、自由の女神が映し出された後、いまはなきツイン・タワービルも（2001年に崩壊）。
映画としては、ハードボイルド・タッチで、クール。
