「カールじいさんの空飛ぶ家」（原題：UP)は、大人が見ても楽しめるデイズニー・ピクサー・スタジオの最新のアニメ。特にアニメ好きではないですが、映像のすばらしさに圧倒されます。シネコンで、ほかに見たい作品が２，３あったのですが、時間的にマッチしたのが、「カール」だけだったので観てきました（笑）。
冒険好きな少年カールは1軒の空き家で少女エリーと”伝説の場所”パラダイス・フォールについて語り合い、いつかそこに行こうと約束する。
成人した二人は結婚し、夢を語り合った空き家を新居とした。
夫婦は仲良く暮らしていたが、妻は幼い日にパラダイス・フォールのスクラップを集めて作った「わたしの冒険ブック」を託して先立ってしまう。
孤独となった主人公のカール・フレドリクセンは、無口で頑固な78歳の老人になっていた。物語はほぼここから始まる。この冒険を何としても成功させて、やがて亡くなった妻の元へ行って「行ってきたぞ！」と報告するのを楽しみにしているのではないか・・・。
カールの家の周りは、すべて立ち退いて、ビルなどが建設されようとしている。建築業者は、カールの家を買いたいと、倍の値段を提示してきたが、断っていた。しかし、とうとう立ち退き勧告で家を奪われそうになったとき、エリーとの約束を果たすため、家を改造し旅に出た・・・。
ボーイスカウトの少年か、「お年寄りの手伝いをしたい」という申し出に「いらない」と何度も断るところなど、「グラン・トリノ」のイーストウッド並みの頑固さ！（笑） この少年、結局、カールじいさんのお供をすることになるのだが・・・。
ディズニーのピクサー・アニメーション映画を観るのは「ファインディング・ニモ」「Mr.インクレディブル」についで3作目。この「カールじいさん」も、アニメか実写か区別が付かないほどリアルな映像美で驚かされる。「ニモ」も、海中の魚の生き生きしたリアルさに驚いたが、「カールじいさんの空飛ぶ家」はさらにすごい。
このカールじいさんが、四角い顔で、表情の変化、感情が人間と変わらない。
白髪で真四角の顔つきが、晩年の「スペンサー・トレーシー」とだぶってしまった（笑）。
子供はもちろんだが、むしろ大人が楽しめるピクサー・スタジオの渾身のアニメ映画となっていて、一見の価値はありました。犬語翻訳機をつけた犬や、獰猛な犬など、犬がたくさん登場する。かわいい犬もいるが・・・。
☆☆☆
