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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">「ブッシュ」(2009)</span>


             ↑映画「ブッシュ」の閣僚など(そっくりさん大集合です)


映画「ブッシュ」(原題:W.)を劇場(東京・新橋文化)で昨日、見てきました。

アメリカの大統領というのは、映画として取り上げられることが多いですね。

これまでにも「JFK」「ニクソン」「フロストXニクソンクリントン大統領のスキャンダルをベースにした「パーフェクト・カップル」などがあります。現存する大統領を映画にしてしまうところが自由の国、アメリカです。

これが、日本だったら「ASOU」「KOIZUMI」・・・といった映画になるだろうかと思います。
小説吉田学校」は、吉田茂の人物像を浮き彫りにしていましたが、戦後の大物政治家でした。

オリバー・ストーンは、大統領の名門一家の知られざる人間模様を暴いています。

大統領になった二代目ブッシュは、40歳までは、仕事は途中で投げ出し、アル中で、
ダメ男だったこと、親子の間で、確執があったことなどを容赦なく描いていています。
ブッシュという名門一家に生まれた問題児がいかにして大統領になったのか・・・。

ブッシュ親子の確執やブッシュ・ジュニアの逮捕歴など、人間味あふれる姿も興味深いです。

映画は、2002年のイラクへの爆撃前の会議から始まります。このあたりは、監督も徹底的に検証
しているようです。そして、ブッシュの大学時代に場面は変わり、逮捕歴があったことや、卒業後は
職を次々と変え、ついにアルコール依存症になってしまったこと。父のジョージ・H・W・ブッシュ
アメリカ大統領になると、輝かしい父や出来のいい弟と自分を比較しては愚痴っていたこと。
そんなダメ男のWが、「お前が大統領になるのだ」という神のお告げを聞いたといい、大統領選に
出馬することになります・・・。







ブッシュ役のジョシュ・ブローリン(上)
と母親のバーバラ(エレン・バースティン)と
父ブッシュ(ジェームズ・クロムウエル)

キャストが豪華。ブッシュを演じるのは「ノーカントリー」のジョシュ・ブローリンで、本物そっくり
で驚いてしまいます。またチェイニー副大統領をリチャード・ドレイファスが演じ、貫禄を見せています。




本物のライスさんかと思ってしまうほど似ているタンディ・ニュートン

ライス大統領補佐官タンディ・ニュートンが演じていますが、これまた実物と瓜二つ。アメリカの俳優の層の厚さを感じさせます。父ブッシュの奥さん、バーバラ・ブッシュは、名女優、エレン・バースティンが演じていますね。懐かしい! 脇役が重厚で、映画を奥深いものにしています。




チェイニー副大統領役のリチャード・ドレイファス(そっくりです)

ブッシュが、野球場で、観客はいないがスピーチの練習をするシーンが出てくる。
また、ラストシーンでは、ボールがセンターに飛んでくるが、それを待つブッシュが、ボールを
見失うシーンが出てくるが、いかにもどうしてよいかわからない、迷っているという状況を
暗示しているようです。

映画を通じて、ブッシュ親子の確執の強さ・・・完璧な父親とダメな息子というコントラスト。

一見の価値ある映画でした。