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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「八甲田山」と加山雄三。

日経新聞の「私の履歴書」は、加山雄三が続いている。7月28日付は、加山が「八甲田山」に出演したときの模様が語られていて興味深い。

 

映画「八甲田山」(1977)の監督は、森屋司郎で、森谷監督は、黒澤明監督の下で、長い間チーフ助監督を務めた人で、加山は「黒澤流のリアリズムが徹底している」と述べている。

 

八甲田山」は、八甲田雪中行軍遭難事件を題材にした山岳小説がベース。
音楽を聴くたびに、あの人間を寄せ付けない雪の吹雪が目に浮かびます。

 

撮影の時には、連日連夜の猛吹雪だったそうで、地元のエキストラなどは、20人くらいまとまって集団でよく逃げ出して行ったというほどの厳しさ。

 

加山雄三が演じたのは、青森隊の倉田大尉役。

 

北大路欣也が演じた神田大尉を補佐する役。実際に、吹雪の中の急斜面を登る場面で、加山が北大路を危なそうになったときに、下から支えて助けたという。後に、北大路は、加山の息子と共演した折に、「君のお父さんに助けられた」と語っていたという(いい話ですね)。

 

加山といえば、スキーなどスポーツ万能。スノーブーツに、カイロを用意して、寒さ対策も怠りなし。他のスタッフには、内緒だったようで、「加山さん、寒くないの?」と聞かれても「いや、別に」と答えていたそう(笑)。

 

現実の八甲田雪中行軍遭難事件というのは、日露戦争直前の1902年(明治35年)に、ロシアとの戦争に備えた寒冷地における戦闘の予行演習として、また陸奥湾沿いの青森から弘前への補給路をロシアの艦砲射撃によって破壊された場合を想定して、日本陸軍八甲田山で行った雪中行軍の演習中に、参加部隊が記録的な寒波に由来する吹雪に遭遇、210名中199名が死亡したというもの。

 

映画は、これに題材をとり、フィクションを加えて希に見るオールスターキャストで
重厚な映画に完成させている。

www.youtube.com高倉健 - 北大路欣也・秋吉久美子 - 1977年

 

記事は一度取り上げている:
http://blogs.yahoo.co.jp/fpdxw092/44996591.html
ソフトバンクのCMのバックに「八甲田山」のテーマ曲が流れていたので、
もう一本記事を:
http://blogs.yahoo.co.jp/fpdxw092/55873961.html

 

 

加山雄三にとっては、前年までに、数年間で負債を返済(完済)し、映画に
カムバックした記念の映画となった。そしてしばらく”若大将シリーズ”を中心に
”第二次加山ブーム”が続くことになった。