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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「家族ゲーム」(1983)

1983年、ATG(日本アート・シアター・ギルド)系で公開された「家族ゲーム」は、家族を異様な雰囲気で描いていた。 監督・脚本は、森田芳光(リメイク版「椿三十郎」ほか)。

 

昨年、「トウキョウソナタ」を見ていて、家族がバラバラという映画を考えたら、「家族ゲーム」があったのを思い出した。表面的には、中流家庭で、どこにでも見られる、一見幸せそうな普通の家庭だが・・・。

 



 

 

”バトル・シーン”

家族ゲーム 食卓バトル

 

一風変わった家庭教師、吉本勝(松田優作)が、やってきてから、子どもの受験や進学しか話題がない貧弱な家族関係が、ぶち壊されていく過程が痛快だった。
日本の平均的な家庭の実態を、皮肉を交えておもしろおかしく描いた、ホームドラマ
横長のテーブルに、家族4人が横一列に並んで、好き勝手に食事する風景は、異様だ。
映画冒頭のシーンから、なにやらただならない家庭の様子が浮き彫りにされていく。
正面切って向かい合うことがない家族なのだ。東京湾岸の高層アパート。
環境は、ウオーターフロントで、工場、倉庫や空き地などが広がる無機質な場所。

 

沼田家の家族は、典型的なサラリーマンの父親の孝助(伊丹十三)と専業主婦の母、
千賀子(由紀さおり)と、二人の息子。伊丹と由紀の夫婦役がにくいほどうまい。

 

「子どもはいい成績を取って、いい学校に入ればいい」と考える平均的日本人の両親は、来年高校受験の長男・茂之(宮川一朗太)を、名門・西武高に入れるために家庭教師を付けることにした。そして何人目かの家庭教師として、吉本勝が沼田家にやって来た・・・。

 

家庭教師の吉本は、三流大学の城南大の7年生で、ひょうひょうとしたポーカーフェースを絶対に崩さない。「成績が上がったら歩合でお金を出すよ」という親も親だが、
「お父さん、約束ですよ」と家庭教師も、契約までする始末。

 

家庭内のバトルは、家庭教師も含めて、一気に爆発する・・・。
伊丹十三松田優作も故人になってしまいました。



☆☆☆