一風変わった家庭教師、吉本勝(松田優作)が、やってきてから、子どもの受験や進学しか話題がない貧弱な家族関係が、ぶち壊されていく過程が痛快だった。
日本の平均的な家庭の実態を、皮肉を交えておもしろおかしく描いた、ホームドラマ。
横長のテーブルに、家族4人が横一列に並んで、好き勝手に食事する風景は、異様だ。
映画冒頭のシーンから、なにやらただならない家庭の様子が浮き彫りにされていく。
正面切って向かい合うことがない家族なのだ。東京湾岸の高層アパート。
環境は、ウオーターフロントで、工場、倉庫や空き地などが広がる無機質な場所。
環境は、ウオーターフロントで、工場、倉庫や空き地などが広がる無機質な場所。
「子どもはいい成績を取って、いい学校に入ればいい」と考える平均的日本人の両親は、来年高校受験の長男・茂之(宮川一朗太)を、名門・西武高に入れるために家庭教師を付けることにした。そして何人目かの家庭教師として、吉本勝が沼田家にやって来た・・・。
家庭教師の吉本は、三流大学の城南大の7年生で、ひょうひょうとしたポーカーフェースを絶対に崩さない。「成績が上がったら歩合でお金を出すよ」という親も親だが、
「お父さん、約束ですよ」と家庭教師も、契約までする始末。
「お父さん、約束ですよ」と家庭教師も、契約までする始末。
家庭内のバトルは、家庭教師も含めて、一気に爆発する・・・。
☆☆☆