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<span itemprop="headline">「おくりびと」が10部門独占。アカデミー賞外国語映画賞にも弾み!</span>


                   「おくりびと」の出演俳優と監督(右から二人目)

第32回日本アカデミー賞の受賞が20日夜決まった。

おくりびと」の独占は予想通りとはいえ、10部門とは驚きだった。

おくりびと」を劇場で見た半年前から、「日本アカデミー賞」最優秀作品賞はこれで
決まり!と思い続けてきたので、うれしい。

これで、邦画の歴史で、2008年は、「おくりびと」の年だったと後に振り返ることが
できる。5本のノミネート作品は未見作品もあるが、すばらしい作品もあったが、
「この1本!」となると、内容の新鮮さといい、俳優のひたむきな演技といい、
おくりびと」ということになるだろう。

主演女優賞の木村多江は、「ぐるりのこと。」の評判は聞いていたものの未見。
受賞スピーチで木村多江をはじめて見たが、清楚な美しさの中にも、芯の強さがにじみ
ていて、好感が持て、ファンになりそう(笑)。

おくりびと」で主演女優賞の候補になっていた広末涼子は、この映画では、
熱演だったと思う。作品がすばらしく、当初は広末の演技だけ「浮いている」という
批判的な声も聞かれたが、振り返ってよく見ていると、映画の魅力に大きく貢献
しているように思えてきた。印象的な見せ場が随所に見られた。

「私の夫は納棺師です!」と泪を浮かべて、これまで偏見の目で見ていた夫の
職業を、すばらしい誇れる職業だと宣言する場面は見ているこちらまで
涙ぐんでしまう名シーンだった。広末の下着のシーンが、垣間見えるのは、
監督の作戦だったよう(笑)。「(堅いストーリーのなかでも、おやっと思わせる
ような)ファンサービスのシーンで重要な場面」とどこかで語っていた。

主演男優賞は、正直なところ本木雅弘が獲得するとは思わなかった。これも、作品の
映画化をすすめた本人であり、作品の勢いが後押ししたように感じる。内心は、意表をついた
コメディタッチの役柄がよかった佐藤浩市か全力投球の熱血型記者の堤真一あたりかなと
思った。中堅以上のベテラン俳優で、アカデミー賞ノミネートの常連でもあるので、
いつでも獲れる俳優であり、今回は惜しくも・・・だった。「おくりびと」がなければ、
受賞していただろう。

助演女優の余貴美子もやや意外だったが、納得。どちらかというと、目立たない押さえた演技
だったが、逆に印象に残った。過去を引きずった陰影を漂わせていた。これも、作品の
パワーに乗っての好演ということか。

助演男優の山崎努は、大ベテランで、受賞は当然の貫禄だったが、受賞スピーチでは、
「半分の気持ちは獲りたかった」とストレートに話し、笑いを誘った。「お葬式」で
主演男優賞を獲得しているが、いまや円熟の極みか。この人のセリフは、CMまでも
味わいのある言葉が多い。

米国のアカデミー賞の授賞式が22日(日本時間23日)行われるが、「おくりびと」は
外国語映画賞にノミネートされており、この勢いで、獲得するのではないかという
夢に一歩近づいた印象。ただ、米国のアカデミー会員に、どう映るか・・・。

とにかく期待したい。

(2月23日13:30=「おくりびと」の「アカデミー賞外国語映画賞」受賞決定!)

主要部門の最優秀賞は次のとおり。

 ■作品賞=「おくりびと

 ■監督賞=滝田洋二郎 (おくりびと

 ■主演男優賞=本木雅弘おくりびと

 ■主演女優賞=木村多江(ぐるりのこと。)

 ■助演男優賞山崎努おくりびと

 ■助演女優賞余貴美子おくりびと

 ■監督賞=滝田洋二郎おくりびと

 ■脚本賞小山薫堂おくりびと

 ■外国作品賞=ダークナイト

 ■音楽賞=久石譲崖の上のポニョ

 ■アニメーション作品賞=崖の上のポニョ