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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">1990年代⑰「ライフ イズ ビューティフル」(1998)</span>

”イタリアのチャップリン”とまでいわれる喜劇俳優ロベルト・ベニーニの監督・脚本・主演の
感動作品。ベニーニのマルチの才能、しゃべりは驚きです。

ベニーニのユーモアと哀しみを交錯させた演出がすばらしかった。

ユダヤ人の強制収容所送りといった重いテーマでありながら、映画は「人生賛歌」の
明るい映画となっていた。




ユダヤ系イタリア人のグイド(ベニーニ)は、小学校の教師ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)
に恋をして、結婚。やがて可愛い息子も生まれ、3人は幸せな日々を送っていたが、突然彼らに
強制収容所への収監命令が下る・・・。

収容所に送られたユダヤ人の父親が幼い息子を生きながらえさせるためにとった意外な作戦を
ぺーソスあふれる演出で、観るものを釘付けにした。共演は、ベニーニ夫人で彼の作品でコンビを組む
ニコレッタ・ブラスキ、子役で新人のジョルジオ・カンタリーニ、それになんと往年のホルスト・ブッフホルツ(「荒野の七人」)ほか。


アカデミー賞では本来、外国語映画賞の対象になるべきところ、アメリカ映画並みに本選対象
となって、1998年度、7部門にノミネートされ、主演男優賞(ベニーニ)などを受賞しました。

こんな話:

時は、1937年、イタリアはトスカーナ地方の小さな町アレッツォ。

本屋を開く志を抱いてやってきたユダヤ系イタリア人のグイドは美しい小学校教師ドーラ
と運命的な出会いをする。当座の生活のため叔父ジオ(ジュスティーノ・ドゥラーノ)の紹介で
ホテルのボーイになり、なぞなぞに取り憑かれたドイツ人医師レッシング(ホルスト・ブッフホルツ)
らと交流したりしながら、ドーラの前に常に何度も思いもかけないやり方で登場。

ドーラは町の役人と婚約していたが、抜群の機転とおかしさ一杯のグイドにたちまち心を奪われて
しまった。ホテルで行われた婚約パーティで、グイドはドーラを大胆にも連れ去り、ふたりは
晴れて結ばれた。息子ジョズエ(ジョルジオ・カンタリーニ)にも恵まれ、幸せな日々だったが、
時はムッソリーニによるファシズム政権下。

ユダヤ人迫害の嵐は小さなこの町にも吹き荒れ、ある日、ドーラが自分の母親(マリザ・パレデス)を
食事に呼ぶため外に出たすきに、グイドとジョズエは叔父ジオと共に強制収容所に連行された・・・。

グイドは幼いジョズエをおびえさせまいと必死の嘘をつく。

収容所生活は、ジョズエがお気に入りの戦車を得るためまでのゲームなのだと。

とにかく生き抜いて“得点"を稼げば、戦車がもらえるのだとグイドはことあるごとに
吹き込み続けた。

映画が公開された当時は、ユダヤの収容所の様子など実際とは違う、甘いという批判も
あったようだが、この映画で描きたかったのは、どのような状況にあろうと希望を持ち続ければ
人生は捨てたものではないというメッセージ。

戦況は進み、収容所は撤退準備をはじめる。ドイツ兵が去った後、外へ出たジョズエは進駐してきたアメリカ軍の戦車を見て歓声をあげる。戦車に乗せられたジョズエは生きていたドーラを見つけ、母子は抱き合った。

これが幼い息子を生きながらえさせようとした父親の命がけの嘘がもたらした奇跡の物語だった。
子役が、とにかくかわいい。イタリア映画では、子役の出る映画は感動作品が多い(爆)。

イタリア映画では、「ニューシネマ・パラダイス」と並んで、感動した作品でした。


☆☆☆☆