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<span itemprop="headline">映画「真昼の決闘」(1952)</span>






”ハイヌーン”で知られる西部劇の普及の名作「真昼の決闘」(1952)。
監督は、フレッド・ジンネマン(「地上(ここ)より永遠(とわ)に」「日曜日には鼠を殺せ」
ジャッカルの日」など)。

この映画の製作者は、映画監督としても著名なスタンリー・クレーマー。

クレイマー監督作品では「ニュールンベルグ裁判」「招かれざる客」などの傑作がある。

「真昼の決闘」の保安官役には、当初グレゴリー・ペックが候補だったが、別に似た作品に出ていた
(「拳銃王」)ため、ペックが辞退したいきさつがあり、低予算で製作しようとしたクレイマー
にとっては高いギャラのゲーリー・クーパーだったが、クーパーは脚本にほれ込み、低ギャラで
応じたという。

この映画のすごいところは、ハイヌーン(真昼)の決闘までの80分間に向かって、時間がリアルタイムで
進んでいくところ。時々時計の針を映し出すが、観客までもが、緊張感を高めていく効果があった。監督もリアリズムを追及したようだ。

主演のゲーリー・クーパーは、まさに適役で、この映画でアカデミー賞主演男優賞
獲得した。新妻役のグレイス・ケリーは、新人ながら清楚な美しさがあり、この後は、ヒッチコック作品などでクール・ビューティの代名詞となった。

この映画では、ケリーの美しさを強調しすぎたという批判や、ケリーへの演技指導が十分でなく、
単調に終わったなどのエピソードがある。クーパーとケリーの30才の年齢差を越えたゴシップも
当時マスコミをにぎわせたようだ。


いっずれにしても、西部劇映画として、常に上位にランクされることは間違いない映画である。

ストーリー:

保安官の任期を終えて、敬虔なクェカー教徒と結婚した初老の男ケーンゲーリー・クーパー)。

彼は新妻(グレース・ケリー)と旅立とうとした矢先、かつて刑務所に送りこんだ無法者が復讐に
来るとの知らせを受ける・・・。彼は町の人々に助けを乞うものの彼等の反応は冷たく、誰も彼を
助けようとはしなかった。それどころか無法者に加勢するものすらいた。

やがて対決の時が来て、彼は1人孤独に4人の無法者たちに立ち向かってゆくのだった。

フレッド・ジンネマン監督が赤狩りを傍観した人々や、決定的な瞬間に臆病風に吹かれる人々への
嫌悪の情を表明した社会派ウェスタンの傑作といわれている。

テックス・リッターが歌う主題歌「ハイ・ヌーン」は大ヒットしてアカデミー歌曲賞を獲得。

日本ではリバイバル公開時に「ハーイ・ヌーン」のタイトルで公開された事もある。

アカデミー賞では作品賞を含む7部門にノミネートされ、主演男優賞、編集賞、劇映画音楽賞、歌曲賞の
4部門を獲得した。クーパーはやや落ち目になっていた時期で、この映画で、完全に人気が復活した
といわれている。「ヨーク軍曹」(1941)に続く2度目のオスカー受賞であった。

☆☆☆☆