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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

1960年代(34)「ロリータ」(1962)

「ロリータ」(1962)は、2-3年前に、DVDで初めてみました。
あれだけ「ロリータ・コンプレックス」(ロリコン)の代名詞にもなっていて原作は有名でしたが。
 
 中味は、今見ると、それほど "変質的・倒錯的”とは思えない(笑)。
 そういう趣味はありませんが(念のため)。
 40年以上も前だったらセンセーショナルだったのでしょう。

 

 画面で、ベッドの上で、いきなり少女の素足のクローズアップ。
 ”ドキ!”そのあとは、中年の男が、足の爪にマニキュアを丁寧に塗る・・・。

 

 
見所は多いですね。
 
1人の美貌の少女(スー・リオン)に振り回される男たちの姿を描いた
ミステリアスなロマンス。

 

主人公ハンバート(ジェームズ・メイソン)は、民宿を探すが、そこのオーナーの未亡人(シェリー・ウィンタース)に会うが、その娘のロリータの美しさに
心を奪われてしまう。未亡人は、ハンバートに好意を持つ。 

 

 
もう1人、奇怪な男(ピーター・セラーズ)も登場。
ロリータをめぐる3人の俳優が素晴らしい。特にピーター・セラーズは、
怪演。このヒトは、不思議。話す言葉も機関銃のようで、意味不明?
なことも。代表作は「ピンク・パンサー」のクルーゾー警部か。
博士の異常な愛情」もすごい。

 

ヨーロッパからアメリカに亡命した中年の大学教授(文学者)、
ハンバート・ハンバートは、少年時代の死別した恋人がいつまでも
忘れられない。
その面影を見出したあどけない12歳の少女のドロレス・ヘイズ(愛称ロリータ)
に一目惚れをし、彼女に近づくため、下心からその母親である未亡人と結婚する。
母親が不慮の事故で死ぬと、ハンバートはロリータを騙し、アメリカ中を逃亡する。 
 

↑大人たちを困惑させるほどの現代的魅力を持つロリータ

 

 しかし男の理想の恋人となることを断固拒否し、時間とともに成長し始める
 ロリータに対し、ハンバートは衰え魅力を失いつつあった。ある日突然、
 目の前から姿を消したロリータ。その消息を追って、ハンバートは再び
 国中を探しまわる。3年の後、ついに探し出すが大人の女性となった彼女は
 若い男と結婚し、彼の子供を身ごもっていた。

 

 哀しみにくれるハンバートは彼女を誘拐した男の素性を知り、殺害する。
 後に逮捕され、獄中で病死。そしてロリータも出産時に命を落とす。
 作品は、ハンバートが獄中書き残した「手記」という形式をとっている。
 知的で複雑な歴史をもち自意識に満ちたハンバートに、ヨーロッパ旧世界の
 象徴を、成熟しつつ素朴なロリータにアメリカの象徴を読み取る解釈も
 一般的に存在するといわれる。
 ジェームス・メースンが、振り回される姿は、こっけいでもあるが、
 強烈な風刺にも取れる。

 

 監督:スタンリー・キューブリック
 出演:ジェームズ・メイソン
    スー・リオン
    シェリー・ウィンタース
    ピーター・セラーズ



☆☆☆