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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">1960年代(29)「昼顔」(1967)</span>



 
 ”私を縛って!”
 ”鞭で叩いて!”


 そういう趣味はないです(笑)。
 しかし、痛そう!?

 
 「朝顔」でなくて「昼顔」(笑)。
 
 「真夜中は別な顔」というのがあったが、この映画は、
 「昼間は、別の顔」となる女の怖さ(爆)。
 
 一見清純そうな、カトリーヌ・ドヌーブが ”背徳”を
 演じるギャップを感じた。

 セブリーヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)とピエール(J・ソレル)の二人は、仲の良い若夫婦。

 セブリーヌもよく夫に仕え、満足な毎日を送っていたが、彼女が8歳の時
 の記憶がよみがえる。野卑な鉛管工に抱きすくめられた異常な感覚が、
 潜在意識となって妖しい妄想にかられてゆくことがあった・・・。

 実は妄想なのだが、情欲の鬼と化したピエールがセブリーヌを縛りあげ、
 ムチで責めさいなんだ挙句、犯したり、卑しい男に強姦される・・・。

 セブリーヌの奥底に奇妙な亀裂が生まれていることを、ピエールの友人アンリ(M・ピッコリ)
 だけは、見抜いていた。アンリはなぜか、いつもねばっこい目でセブリーヌをみつめて
 いた。セブリーヌは、そんなアンリが嫌いだった。ある時、セブリーヌは友人のルネ(M・メリル)
 から、良家の夫人たちが、夫には内証で売春をしているという話を聞き、大きな衝撃を受けたが、
 心に強くひかれるものがあった。

 テニス・クラブでアンリを見かけたセブリーヌは、さり気なくその女たちのことを話した。
 アンリもまたさりげなくそういう女たちを歓迎する家を教えた。

 一時は、内心のうずきを抑えたもののセブリーヌは、自分でもわからないまま、
 そういう女を歓迎する番地の家をたずねるのだった。

 セブリーヌの二重生活がはじまった。女郎屋の女主人アナイス(G・パージュ)は、
 セブリーヌに真昼のひととき、つかの間の命を燃やすという意味で「昼顔」という
 名をつけてくれた。

 毎日、午後の何時間かを、セブリーヌは行きずりの男に抱かれて過し、
 夜は今までの通り、やさしく貞淑な妻だった。

 セブリーヌにはもはや夫を裏切っているという、意識はなかった。体と心に奇妙な均衡が生れ、
 一日、一日が満ち足りていた・・・。しかし、その均衡が破れる日が来た・・・。

 
 当時のメモ:
 197X年2月。
 カメラが実に美しい。ルイス・ブニュエル監督のよさが随所に見られる。
 ”女の二面性”を演じたドヌーブ(20代半ば!)が好演。脇役もすばらしく、
 ミシェル・ピコリがいい。色彩で圧倒させられた。