”私を縛って!”
”鞭で叩いて!”
そういう趣味はないです(笑)。
しかし、痛そう!?
「朝顔」でなくて「昼顔」(笑)。
「真夜中は別な顔」というのがあったが、この映画は、
「昼間は、別の顔」となる女の怖さ(爆)。
一見清純そうな、カトリーヌ・ドヌーブが ”背徳”を
演じるギャップを感じた。
セブリーヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)とピエール(J・ソレル)の二人は、仲の良い若夫婦。
セブリーヌもよく夫に仕え、満足な毎日を送っていたが、彼女が8歳の時
の記憶がよみがえる。野卑な鉛管工に抱きすくめられた異常な感覚が、
潜在意識となって妖しい妄想にかられてゆくことがあった・・・。
実は妄想なのだが、情欲の鬼と化したピエールがセブリーヌを縛りあげ、
ムチで責めさいなんだ挙句、犯したり、卑しい男に強姦される・・・。
セブリーヌの奥底に奇妙な亀裂が生まれていることを、ピエールの友人アンリ(M・ピッコリ)
だけは、見抜いていた。アンリはなぜか、いつもねばっこい目でセブリーヌをみつめて
いた。セブリーヌは、そんなアンリが嫌いだった。ある時、セブリーヌは友人のルネ(M・メリル)
から、良家の夫人たちが、夫には内証で売春をしているという話を聞き、大きな衝撃を受けたが、
心に強くひかれるものがあった。
テニス・クラブでアンリを見かけたセブリーヌは、さり気なくその女たちのことを話した。
アンリもまたさりげなくそういう女たちを歓迎する家を教えた。
一時は、内心のうずきを抑えたもののセブリーヌは、自分でもわからないまま、
そういう女を歓迎する番地の家をたずねるのだった。
セブリーヌの二重生活がはじまった。女郎屋の女主人アナイス(G・パージュ)は、
セブリーヌに真昼のひととき、つかの間の命を燃やすという意味で「昼顔」という
名をつけてくれた。
毎日、午後の何時間かを、セブリーヌは行きずりの男に抱かれて過し、
夜は今までの通り、やさしく貞淑な妻だった。
セブリーヌにはもはや夫を裏切っているという、意識はなかった。体と心に奇妙な均衡が生れ、
一日、一日が満ち足りていた・・・。しかし、その均衡が破れる日が来た・・・。
当時のメモ:
197X年2月。
カメラが実に美しい。ルイス・ブニュエル監督のよさが随所に見られる。
”女の二面性”を演じたドヌーブ(20代半ば!)が好演。脇役もすばらしく、
ミシェル・ピコリがいい。色彩で圧倒させられた。