「さらば友よ」の大成功の後、この「雨の訪問者」で、チャールズ・ブロンソンの
俳優としての地位は不動となった。
1970年代の半ばごろまでのチャールズ・ブロンソンの快進撃はすごかった。
1960年の「荒野の七人」、1963年の「大脱走」で共に男臭い風貌が人気を呼んだが、
まだ、"ヒゲなし"ブロンソンだった。脇役としての存在。
俳優として、国際スターの地位を確立したのが「さらば友よ」(1968)と
「雨の訪問者」(1970)だった。この映画以降、"ヒゲのブロンソン”
が定着した。
しかも日本では、当時マンダムのCMで一世を風靡。
、“アゴに手をやる=マンダム”の図式が浸透しているチャールズ・ブロンソン出演による
男性化粧品「マンダム」のCM。バックに使われていたCMソングが「男の世界(英題は“Mandom -
Lovers Of The World”)」は、70年にシングル・チャート3週連続1位を記録。CM曲のヒットは、
それまで丹頂株式会社と名乗っていた社名を株式会社マンダム(←HumanとFreedomの合成語で
Mandom!!)へと変更させた。
「雨の訪問者」は、「太陽がいっぱい」のルネ・クレマン監督。
フランシス・レイのテーマ曲がすばらしい。名曲で埋められた中で展開するファンタジック・
ミステリー。
雨の降りしきる中田舎町のバス停に降り立った見知らぬ男。彼を見送る若き人妻(マルレーヌ・
ジョベール)の物憂げな表情が最高)。その夜、彼女はその男に自宅で襲われ、彼女は彼を射殺する。
死体は人知れず処理し、安堵するも束の間、謎のアメリカ人(ブロンソン)が現れて彼女を嗅ぎ回る。
その過程で浮き彫りになる彼女の夫の裏の職業、親友の裏切り、男の正体、夫と男を結ぶ線。
ラストでは、絶体絶命が急転直下の解決を見た主人公の人妻が見せる屈託の無い笑顔。
フランス映画そのもの。対して、彼女の幸運を演出した張本人の謎のアメリカ人が、
「投げてガラスが割れれば恋の証し」というクルミを投げてあずまやのガラスを思いがけず
割って見せるシーンは、「チェッ、俺も柄にも無く恋をしてしまったか」と言わんばかりの
アメリカ的な粋な演出。
「狼よさらば」までは、ほとんど見ているが、その後は、ブロンソン映画もご無沙汰。
主な作品(一部):
「キング・オブ・コップ」(1998)
「DEATH WISH/キング・オブ・リベンジ」(1993)
「必殺マグナム」(1986)
「スーパー・マグナム」(1985)
「ロサンゼルス」(1982)
「太陽のエトランゼ」(1979)
「テレフォン」(1977)
「セント・アイブス」(1976)
「軍用列車」(1975)
「ストリートファイター」(1975)
「ブレイクアウト」(1975)
「狼よさらば」(1974) ★★
「さらばバルデス」(1973)★★
「シンジケート」(1973) ★★
「チャトズ・ランド」(1972) ★★
「バラキ」(1972)★★
「メカニック」(1972)☆☆☆
「レッド・サン」(1971) ☆☆☆
「アドベンチャー」(1970)★★
「雨の訪問者」(1970)☆☆☆☆
「狼の挽歌」(1970) ☆☆☆
「扉の影に誰かいる」(1970) ★★
「夜の訪問者」(1970) ☆☆☆
「ウエスタン(1968) ☆☆☆
「さらば友よ」(1968) ☆☆☆☆
「サン・セバスチャンの攻防」(1968)★★
「戦うパンチョ・ビラ」(1968) ★★
「特攻大作戦」(1967)☆☆☆
「大脱走」(1963)☆☆☆☆
「荒野の七人」(1960)☆☆☆☆