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<span itemprop="headline">1970年代⑲「赤いテント」(DVDでは、「SOS北極/レッド・テント」に改題)</span>



1970年代⑲「赤いテント」(DVDでは、「SOS北極/レッド・テント」に改題)

 この映画が、日比谷・有楽座で公開された当時(1970年代初期)は、
映写フイルム幅を示す”70ミリ大画面”というのが売り物でした。
 
 「ウエスタン」(チャールズ・ブロンソンヘンリー・フォンダ
クラウディア・アルディナーレ)、「戦略大作戦」(クリント・
イーストウッドテリー・サバラス)といったアクション
映画が次々に公開。
 
 「赤いテント」は、1928年5月、実際に北極で遭難した
イタリア探検隊飛行船を題材にしています。生存者のサバイバルと
救出作業を克明に追っていますが、北極の雄大な景観に息を呑みました。
 
 映画は、イタリアのノビレ将軍(ピーター・フィンチ)率いる飛行船
イタリア号による北極探検と悪天候による遭難を描いた実話がベースです。
この事件は探検家アムンゼンショーン・コネリー)が生存者捜索中に
二次遭難したことによってもまた知られています。
 
 紅一点というのは、こういう映画のことでしょう。

あの、クラウディア・カルディナーレが、ノビレ将軍の奥さんに扮し、
現場まで出向く姿が描かれ、北極の自然の厳しさを体験します。

「ブーベの恋人」のような、また健気さが漂っていました。
この映画撮影時でも、まだ30歳前後だったのですね。
 出演者では、ドイツ俳優のハーディー・クリューガー
(大傑作「シベールの日曜日」以来の好演)などが、脇を固めていました。
 
 音楽は、イタリアの名映画音楽家エンニオ・モリコーネ
すばらしい壮大なスケールの音楽です。遭難にあった人たちが、
暖めあうように固まって、一緒になって歌を歌うのが
(歌い続けないと、凍り死んでしまうほどの極限状態)
特に今でもメロディーが印象に残ります。

 話題の一つは、007シリーズのアクション・スターに限界を感じた
ショーン・コネリーが、まだ40歳前後かと思いますが、老け役の
メイクにして、演技派に脱皮を図った映画として話題になりました。
 このあと、1本だけ、「007ダイヤモンドは永遠に
を撮った後、ロジャー・ムーア、ティモシーダルトンなどに
ジェームズ・ボンド役を譲っています。

《公開時コピー》
氷山に激突する飛行船イタリア号! 探険史上最大の悲劇の影に溢れる鮮烈のヒューマニズム
1970年イタリア、ソ連

監督: ミハイル・カラトーゾフ 
製作: フランコ・クリスタルディ
ポール・マスランスキー
脚本: エンニオ・デ・コンチーニ
ミハイル・カラトーゾフ
リチャード・アダムズ
撮影: レオニード・カラシニコフ 
音楽: エンニオ・モリコーネ
出演: ショーン・コネリー
クラウディア・カルディナーレ
ハーディ・クリューガー
ピーター・フィンチ 
マッシモ・ジロッティ 
ニキータ・ミハルコフ
マリオ・アドルフ
ドナタス・バニオニス