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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">1970年代⑰「Z」</span>



1970年代⑰「Z」

 「Z」の製作は、1969年だが、日本初公開が1970年末であるので、1970年代に入れました。
個人的に、最も思い入れのある作品であり、今後すばらしい映画が続出したとしても、
「生涯映画ベスト5」 を外れることは、まずありえない映画と位置付けています。私個人にとっては、映画の面白さに興味を持った原点ともいえる作品です。

 一言で言えば・・・

 スリルとサスペンス、ストーリーテリング、映像、音楽、俳優の演技が融合

した作品といえましょうか。

映画は、軍部の集会で始まる。
「近年、細菌がはびこっており、駆除しなければならない」(思想的に左がかっているのは、
抹殺する)といったスピーチに、ミキス・テオドラキスの打楽器の音楽がかぶさっていき、
胸の勲章が、様々映し出される。この意味するところはのちに明らかになる。

すばらしい音楽だ。
 
 アカデミー賞外国語映画賞(仏、アルジェア合作)受賞。イブ・モンタンが主役のタイトル・ロール、
Z氏(ギリシャ語のZei=彼は生きている、の頭文字をとった)を演じたが、Z氏の死後(暗殺のあと)
真相を追求する予審判事役のジャンルイ・トランティニャン(「男と女」「暗殺の森」「流れ者」)
が、正義感溢れ、権力の上層部を次々に告発するプロセス(勲章を胸に、数多くきらきらさせている
大物を「~罪により告訴します!」と告げる)が圧巻でありました。何度観ても、すっきり・・・
 
 しかし、世の中は、必ずしも正義が勝つとはいかず、「後日談」があり・・・軍部の暗殺首謀者が
告訴され、平和が訪れたかに見えたのだが、再び軍部が政権を握り、様々な禁止令を出すのであった。
 
 その中味は、会合・集会、トルストイの書籍、ミニスカート・・・そして「Z」、なぜなら「Zは、ギリシャ語の”彼は生きている”(Zei)のかしら文字だからだ」と・・・とナレーションが入り、軍部発表では、捜査に関わった予審判事、記者、その他の関係者は、みな自殺、交通事故などと発表されるのだった・・・。
 
 1970年のキネマ旬報ベストテンでは、3位。
 ちなみにこの年の上位5は
   
   ①イージーライダー
   ②サテリコン
   ③Z
   ④明日に向かって撃て
   ⑤M★A★S★H
   
 政治サスペンス映画ということで、導入部は、ややとっつきにくい感じだが、ストーリー展開、俳優、打楽器を駆使したミキス・テオドラキスの音楽、カラー映像、中味とどれをとっても、すばらしい。

 地中海に近いある国(実際は、ギリシャがモデル)で、革新政党の指導者イブ・モンタンが暴漢に襲われた後、死亡する。軍部当局は自動車事故による脳出血と発表する。しかし、これに疑問を抱いた予審判事ジャンルイ・トランティニャンは新聞記者ジャック・ペラン(製作も兼ねる)の協力を得て真実に迫ろうとする。そして事件の背後に隠された陰謀にたどり着くのだが……。

 コスタ=ガヴラスが、故国ギリシャで1963年に起きた自由主義者ランブスキ暗殺事件に材をとったヴァシリコスの原作を基に、軍事政権の恐怖と陰謀を描き出した問題作。
(当然、ギリシャでは上映中止となった)。


1969年仏、アルジェリア合作
監督: コンスタンタン・コスタ=ガヴラス
製作: ジャック・ペラン
原作: ヴァシリ・ヴァシリコス
脚本: ホルヘ・センプラン
コンスタンタン・コスタ=ガヴラス
撮影: ラウール・クタール
音楽: ミキス・テオドラキス
 
出演: イヴ・モンタン (革新系政治家)
ジャン=ルイ・トランティニャン (予審判事) (圧巻です!)
ジャック・ペラン    (新聞記者)・・・製作も兼ねる。
フランソワ・ペリエ   (法曹界の重鎮)
イレーネ・パパス   (モンタン演じるZ氏の妻)
レナート・サルヴァトーリ (暴漢の一人)
マルセル・ボズフィ    (暴漢の一人)
シャルル・デネ      (Z氏の支援者の一人)


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