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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">1970年代⑧「サテリコン」 ローマ時代の”酒池肉林”の世界。</span>


1970年代⑧「サテリコン」(「さて、離婚」ではないです!笑)

映画でなければ表現できない、豪華絢爛の世界。

おどろおどろしさの中の人間の狂気。
 
イタリアの代表的な監督、フェデリコ・フェリーニ(「甘い生活」「カビリアの夜」「81/2」)が
ローマ時代の市民の退廃ぶりを描いたが、映像のすごさ、内容のすごさに目が奪われた。

インパクト絶大の、決して二度と作られない世界がそこにはあった。

1970年度「キネマ旬報」のベスト10では、堂々の第2位。1位が「イージー・ライダー」では仕方ないか。

私のお気に入り「Z」は、惜しくも3位に甘んじてしまった。

サテリコン
1970年イタリア作品
監督 : フェデリコ・フェリーニ
製作 : アルベルト・グリマルディ
原案 : フェデリコ・フェリーニ / ベルナルディーノ・ザッポーニ
脚本 : フェデリコ・フェリーニ / ベルナルディーノ・ザッポーニ
撮影 : ジュゼッペ・ロトゥンノ
    アドリアーノ・ピチウッタ
音楽 : ニーノ・ロータ

(内容)
 紀元前のローマ。世は頽廃の極に達し、人々はただ快楽を求め、快楽に溺れていた。
学生のエンコルピオ(M・ポター)とアシルト(H・ケラー)も、獣のように快楽を求め、
冒険に身を投げ出していた。

 二人は友人であり、美少年ジトン(M・ボーン)をめぐっての恋仇でもあった。
そして、アシルトにジトンを奪われ絶望したエンコルピオは、酒池肉林(=この言葉を始めて
知りました!)の宴であるトリマルキオ(M・ロマニョリ)の宴会にでかけた。

 そこには、このローマ市民の頽廃の代表的な光景が、ぶかっこうに展開され、トリマルキオの
淫蕩な妻フォルチュナタ(マガリ・ノエル)も、女友達と戯れていた。その狂乱の中からエンコルピオは、
老詩人エモルポ(S・ランドーネ)を救い、二人は知人となった。翌朝、エンコルピオは、
アシルトやジトンとともに、少年狩りにひっかかり、貴族リーカ(アラン・キュニー)の軍船に運ばれた。

 リーカはエンコルピオを愛し、彼と結婚の儀式をあげた。この頃、若き皇帝(T・ロバート)が暗殺され、粛清軍隊が貴族を襲い、リーカも殺された。それを彼の寵姫トリファエナ(キャプシーヌ)は、
冷然とみていた。エンコルピオとアシルトはやがて釈放された。爛熟したローマは、
ようやくその崩壊のきしみをはじめたが、二人の学生には関係なかった。

彼等は、色情狂の夫人を慰め、金儲けの為、生神様を誘拐したりした。
そうした時、エンコルピオは突然闘技に狩り出され、命は助かったものの、精魂つきた彼は性的不能に陥ってしまった。彼を侮蔑の淵から救い出したのは、アシルトと、今は富を握ったエモルポであった。

 女魔術師エノテアによって、エンコルピオは回復したが、その時には、アシルトは盗賊に襲われ、
殺されていた。エジブトへ船出するというエモルポをエンコルピオが訪れると彼もまた死んでしまい、
遺書に財産相続を願うものは、我が屍肉を食え、と書いてあった。

 若い船長と共に船出しながら、人間が人間の肉をくらう異様な光景をみていたエンコルピオは、静かに笑い出し、やがてそれは、すべてを否と諾の呪縛からときはなつような、壮大な笑いにかわっていった。

とにかく想像を絶するすごい映画です。

未見の人は、覚悟して、見てください。

「腰を抜かしても、一切責任はおいません」(笑)。


☆☆☆☆