「ワタシが私を見つけるまで」(原題:How to Be Single、2016、劇場未公開)を見る。2017年5月にDVD発売のみで劇場スルーのアメリカ版”ブリジット・ジョーンズの日記”といえるアラサー女子の自分探しのロマコメ。女子向け映画でした(笑)。
原作はリズ・タシーロが2008年に発表した小説「ひとりな理由はきかないで」。
邦題が「ワタシ」と「私」を意味ありげに使い分けているが、小説のタイトルをそのままでもよかった気がする、と私もワタシも思う(笑)。
監督はクリスチャン・ディッター。主演は「ソーシャル・ネットワーク」「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のダコタ・ジョンソンと「バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!」「ピッチ・パーフェクト」のレベル・ウィルソンが務めた。
ダコタ・ジョンソンは俳優ドン・ジョンソンと女優メラニー・グリフィス(「ワーキング・ガール」)の娘で、母方の祖母は、ヒッチコック映画「鳥」のティッピ・ヘドレン。メラニーの再婚相手の一人、アントニオ・バンデラスは義父にあたるという、映画一家。クール系美貌ではないが親しみやすさがある(笑)。
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アリス(ダコタ・ジョンソン)は恋人のジョシュ(ニコラス・ブラウン)に別れを告げて、法律関係の事務職に就くためにニューヨークへ向かった。アリスは姉のメグ(レスリー・マン)と住むことになったのだが、メグは一風変わった信念の持ち主であった。
メグは産婦人科医として働いていたが、自分自身が子育てをしたり結婚したりすることはないと公言していたのだ。
アリスは同僚のロビン(レベル・ウィルソン)と親しくなった。ロビンは夜な夜なパーティーに繰出し、ワンナイトラブを楽しんでいた。またアリスは地元のバーで働くトム(アンダーズ・ホーム)とも親しくなった。彼は独身生活を満喫しており、1度に複数の女性と関係を持っていた。
ある日、トムはルーシー(アリソン・ブリー)という名前の女性に会った。ルーシーは様々な出会い系サイトを駆使して、運命の男性を探し求めているのだという。
しばらくして、アリスはジョシュに復縁を持ちかけたが、彼はそれをぶっきらぼうに断った。その頃、メグは唐突に子供が欲しくなり、精子の提供を受ける決断を下した。
妊娠後、メグはクリスマスパーティーで出会った年下の男性(ケン:ジェイク・レイシー)と恋に落ちた。当初、メグはケンのアプローチを断っていたが、徐々に彼に惹かれていったのである。「こんな年下の男と本気の恋愛にはなるまい」と思ったメグは、ケンに自分が妊娠している事実を伝えなかった。
プライベート面が充実していく姉とは対照的に、アリスはジョシュのことを引きずっていた。「いつまでもくよくよしていてはいけない」と思い立ったアリスは、近所で開催されている恋活イベントに参加し、そこでデヴィッド(デイモン・ウェイアンズ・Jr)と知り合いになった。
その頃、ルーシーはデートで立て続けに嫌な思いをしていた。そんなルーシーの姿を見たトムは、いつの間にか自分が彼女に惹かれていると自覚した。
ルーシーは新しい恋人と3週間交際していたが、唐突に別れを告げられた。ショックのあまり、ルーシーは絵本の読み聞かせのボランティアで正気を失って子供たちの前で暴れだしてしまう。そんなルーシーをいさめつつ優しく包み込んだのがジョージだった。傷心のルーシーだったが、今度はジョージと交際することにした。
アリス、メグ、ロビン、ルーシーの4人は恋愛を通して自分らしい生き方を発見していくことになる。
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独身女性4人が登場し、それぞれの生き方を模索するという点では「セックス・アンド・ザ・シティ」(Sex and the City、SATCまたはS&TC)のようでもある。映画の中のセリフで「”ブリジット・ジョーンズ”や”SATC”ばかり見ていると、結婚できなくなる」と言うセリフがあった。
独身主義を貫いているバーテンダーのトムの前に、数人の女性グループがやってきて、私たちはみな結婚することになったとアピールするが、トムは「結婚なんておざなりの○○○と子供の面倒で自由がなくなる」というと、女性陣は一斉に額にしわを寄せて怒った表情を見せる。
言い古された言葉だが、常識や価値観は時代とともに変化する。
脱線するが、昭和の時代に、CMで「25歳はお肌の曲がり角」「女性の25歳はクリスマスケーキ」などと煽っていた。あたかも女は25歳、男は27歳くらいで結婚するのが幸せであり”常識”とされた。その後、女性の社会進出が進むにつれ、キャリア・ウーマン、DINKS(ディンクス)=Double Income(共働き)No Kids(子どもを持たない)」などの言葉が生まれた。
価値観の多様性を容認する機運がますます高まっている。特に人種、性別の垣根を取り払うということだが、2,3日前に「ダイナスティ」シーズン1(全22話)を見終わって驚いた。そこでは、大富豪の息子が同性婚で結婚式を盛大に開催するのだが、大勢の出席者がなんら違和感もなく祝福していた。
鶴田浩二(古い!)ではないが「古いとお思いでしょうが・・・」抵抗があるというのが実際のところだ。試写会でみた1971年の映画「真夜中のパーティ」は、登場人物9人が全員ゲイという映画で、異色の映画だったが、結構衝撃だった。「ブロークバック・マウンテン」も見るのに躊躇して、見るまでに5年かかった。やっぱり、古い人間なのか、ワタシも私もオレも僕もおいらも、わしも(笑)。
■キャスト
ダコタ・ジョンソン:アリス・ケプリー
レベル・ウィルソン:ロビン
レスリー・マン:メグ・ケプリー
アリソン・ブリー:ルーシー
デイモン・ウェイアンズ・Jr :デヴィッド・ストーン
アンダーズ・ホーム:トム
ニコラス・ブラウン:ジョシュ
ジェイク・レイシー:ケン
ジェイソン・マンツォーカス:ジョージ
コリン・ジョスト:ポール
サラ・ラモス:ミシェル
ブレント・モリン:トーマス