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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「シューベルトの愛し方」(2016、ドイツ映画)を見る。

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シューベルトの愛し方」(2016、ドイツ映画)を見る。タイトルのシューベルトは、ドイツのコメディアン、オーラフ・シューベルトのこと。

一族の家系には歴史上の錚々たる人物が名前を連ねているシューベルト家。その名家の一人息子、オーラフ・シューベルトは、容姿的にハゲでブ男の上、自己中心的な性格で、およそ恋とは無縁の人物。風貌はほとんど、ジャック・ニコルソン

f:id:fpd:20201119085111j:plain オーラフ・シューベルト

そんなシューベルトの父親(マリオ・アドルフ)は、家系が途切れることが悩みの種で、早く孫の顔が見たいというが、父にうんざりしていたシューベルトは、渋々花嫁探しを始めるのだが・・・。

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コメディというジャンルだったので見たが、わがままな主人公にはいらつく。次々に見合いをするが、ほんの数分で、自己中な性格が見ぬかれて、ハイさようなら。

ところが、一人だけ、メガネで化学研究者の女性パメラと意気投合する。

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この映画の見どころはシューベルトの父親を演じるマリオ・アドルフの味わいのある演技。

シューベルトは、ガールフレンドは必ず父親に紹介するといって、パメラを父親に紹介する。パメラが、生物関連の研究者と知ると、父親が専門用語であれこれ聞き、パメラがまた専門用語で返すというシーンは、抱腹モノ。話に加われないシューベルトは完全に蚊帳の外。

そして、シューベルトはパメラと結婚。

小ネタだが、病院で、生まれた赤ん坊を看護師が連れてくると黒人。一瞬、驚くが、「別の番号の子供と間違えた」と別の赤ん坊を連れてくるといった具合。

シューベルトが赤ん坊を父親に見せると、父親は安心するが、すぐに息を引き取ってしまう。

マリオ・アドルフというとイタリア系ドイツ人俳優で「赤いテント」(1970)を思いだすが、まだ現役で出演しているのには驚いた。現在90歳。

f:id:fpd:20201119084959p:plain マリオ・アドルフ

マリオ・アドルフは1954年に俳優デビュー。

出演作品には「女と男」(1957)「ダンディー少佐」)(1965)「国境は燃えている」(1965)「ナポリと女と泥棒たち」(1966)「ブリキの太鼓」(1978)「マフィアの妻(おんな)たち」(2005)「サム・ペキンパーの情熱と美学」(2005)などがあるが、1950年代後半、岸恵子の夫だったイヴ・シャンピ監督の「スパイ・ゾルゲ/真珠湾前夜」(1961)では、岸恵子小沢栄太郎らと共演している。

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ドイツ映画は、コメディもやや面白みに欠け一般受けするとは思えない。映画も残念な映画。

 

 

 

映画「シカゴ7裁判」(原題: The Trial of the Chicago 7、2020)を見る。アカデミー賞有力。

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シカゴ7裁判」(原題: The Trial of the Chicago 7、2020)を見る(Netflix)。骨太の実録法廷映画。アーロン・ソーキンのオリジナル脚本を自ら監督した。”シカゴ・セブン”と呼ばれた実在の被告たちを描く。

主演はエディ・レッドメインアメリカでは新型コロナウィルスの流行により配給のパラマウントは劇場公開を断念し、Netflixに権利を売却。Netflixは配信に先駆けて、一部の映画館で公開。アカデミー賞の有力候補になりそう。

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ベトナム戦争真っただ中の1968年。ケネディ大統領暗殺後、後任を選ぶ大統領選挙を控えた8月28日、イリノイ州シカゴで 民主党の全国大会が開かれていた。それに合わせて全国から反ベトナム戦争派の若者たちが集結し、集会やデモを繰り広げていた。

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そして、会場近くのグランド・パークでは、デモ隊と警察が衝突し騒乱となり、数百名の負傷者を出す事件へと発展した。

共和党ニクソン政権が誕生した約5ヶ月後、デモに参加した各グループのリーダー的存在だった7人が、暴動を扇動したとして共謀罪などの罪に問われ、法廷に立つことになる。

型破りなメンバーたちは、保守的なジュリアス・ホフマン裁判長(フランク・ランジェラ)に反抗し、繰り返し法廷侮辱罪に問われる。中でもブラックパンサー党のボビー(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)は弁護士をつけずに自らを弁護、仲間が警察の捜査で射殺された怒りをぶつけ、ついには身体を拘束される。温厚なデリンジャージョン・キャロル・リンチ)までも、裁判長への反発から職員に暴力をふるってしまう。

弁護士のウィリアム・クンスラ―(マーク・ライランス)は起死回生をかけて、クラーク前司法長官(マイケル・キートン)を証人として召喚する。

クラークは当時の捜査で暴動のきっかけを作ったのは警察側であるという結論に至った事を証言。検察側の弁護士のシュルツは、それは前政権の時の判断だと応戦する。

裁判の終盤、市民から録音テープが証拠として提出される。それはトム・ヘイデン(エディ・レッドメイン)が集会で、警察が友人に暴力をふるったことに逆上して聴衆に血を流せと扇動している声が記録されていた。証言に立ったアビー・ホフマン(サシャ・バロン・コーエン)は聖書を引用してヘイデンを弁護する。

裁判の最後、裁判長から陳述を求められたヘイデンは、裁判の最中も続いているベトナム戦争で戦死した米兵の名前を次々と読み上げる。激高する裁判長をよそに、他のメンバーや弁護士、傍聴人までもが起立する。ついにはシュルツも立ち上がり死者への哀悼を示した。ヘイデンらは懲役5年の判決を受けるが、後に再審理となり、検察側は追訴を断念する。

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「わが愛は消え去りて」(1970)でデビューしたフランク・ランジェラが判事(裁判長)を演じているが、その横暴ぶりがすさまじい。被告人に弁護の機会を与えず、結論ありきの裁判を進める。法廷の中では、なにか意見を言おうものなら、法廷侮辱罪で退けてしまう。弁護側が前司法長官を証人として喚問する。マイケル・キートン演じる前司法長官が登場すると流れが変わる。

弁護側は、裁判長の制止を振り切って、ベトナム戦争で亡くなった若者たち5,000人の名前と年齢を一人一人読み上げるシーンは感動的。傍聴席からは全員が起立し拍手をする。

今見るべき映画の1本かもしれない

 

主な出演者: 

エディ・レッドメイントム・ヘイデン

サシャ・バロン・コーエンアビー・ホフマン

ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世:ボビー・シール

ジェレミー・ストロング:ジェリー・ルービン

ジョセフ・ゴードン=レヴィット:リチャード・シュルツ

アレックス・シャープ:アレックス・シャープレニー・デイヴィス

フランク・ランジェラフランクジュリアス・ホフマン

ジョン・キャロル・リンチデイヴィッド・デリンジャー

マーク・ライランスウィリアム・クンスラー

ケルヴィン・ハリソン・Jr.:フレッド・ハンプトン

マイケル・キートンラムゼイ・クラーク司法長官

ジョン・ドーマン:ジョン・N・ミッチェル

J・C・マッケンジートム・フォーラン

ノア・ロビンス:リー・ウィンナー

ダニエル・ハラハティ:ジョン・フロイネス

ベン・シェンクマン:レナード・ワイングラス

マックス・アドラー:スタン・ウォジョハウスキー

ウェイン・デュヴァル:ポール・デルカ刑事

 

 

映画「MOTHER マザー」(2020)を見る(Netflix)。長澤まさみが新境地。

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MOTHER マザー」(2020)を見る(netflix)。「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」の大森立嗣監督、長澤まさみ主演の意欲作。

2014年に実際に起きた“少年による祖父母殺害事件”に着想を得た映画。事件というのは、母親の歪んだ愛情しか知らずに育った少年が、その母親の一言がきっかけで凶行に走るという痛ましいもの。

自堕落な生活を送りながら実の息子に異様な執着をみせる母親・秋子を長澤まさみが演じ、その母親に翻弄されながらも歪んだ愛にけなげに応えようとする少年・周平を本作がスクリーンデビューとなる奥平大兼が演じる。

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まったく共感できない母親。「自分の子供に対して、どのように育てようと勝手」という無責任な親で、仕事もしないで、パチンコに興じる。お金がなくなると、妹や両親に何度も無心する。断られると、息子をダシに使ってお金を借りようとするのだ。

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なにより、両親を殺害するのを息子に指示して実行するのだが、息子は息子で、母親大好きで、母をかばって自分で罪をすべてかぶって服役する。「食事ができて本が読めるから、社会に出たくない」というのだ。結局、親が学校にも行かせず、真剣に育てようとしない育児放棄(ネグレクト)が根底にある。救いようのない母親。

長澤まさみが、笑いやコミカルな要素を一切封印して、悪女に徹して、化粧っけなしのノーメイクで演じて、まさに新境地開拓といったところか。

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長澤まさみにつけ入るダメ男の阿部サダヲも、サラ金から借金しては逃げ回る最低男で、住むところがなくなると、長澤まさみのところに泣きついてくる。

万引き家族「誰も知らない」にも通じるほとんどホームレス状態で生きる家族を描いているが、殺人が絡んでいるだけに重い。

救いようのない映画だった。ただ唯一の救いは、息子が、本を読む、勉強したいという意欲があったことで、12年間の収監の決定を受けたが、その間に、学校で学べなかった分、本を読んで、勉強して、独り立ちできるだろうということは予感できた。

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★「アンタッチャブル」の圧勝に終わった「コネリー」映画投票。

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アンタッチャブル」(1987)を初めて見たのは、その年の9月に起こったブラック・マンデー(株価大暴落)が激震のニューヨークの映画館だった。アルフレッド・ヒッチコック監督の後継者といわれたブライアン・デ・パルマ監督作品ということで期待していた。

オープニングから、タイトルの文字が立体的に大写しに出て、文字に影が映り、あの低音の音楽。ワクワクして引き込まれた。その後、ビデオレンタル、テレビなどで見ている。

あれから30年以上が経つが無名ブログで、ショーン・コネリー追悼のお気に入り映画ランキングで圧倒的な1位を記録した…などという記事を書くとは思わなかった(笑)。

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手元にDVDはあるが、まだ見ていないギドラさんは、DVD、ブルーレイで「アンタッチャブル」を所有しているというが「4K版」が出たら買うという。恐れ入ります(笑)。

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この映画の主演は、さっそうと登場したエリオット・ネスを演じた若きケヴィン・コスナーだった(当時32歳)。無名俳優のコスナーをスターにした作品でもあった。

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コスナーは、確かにかっこよかったが、わき役陣が上回るくらいよかった。髪の毛を剃ってオールバックにして貫録を見せたアル・カポネ役のロバート・デ・ニーロ

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エリオット・ネスを助ける相棒の一人、ジョージ・ストーンを演じたアンディ・ガルシアも味わいがあった。

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そしてなんといっても存在感を見せたのがこの人、老警官ジム・マローンを演じた「姓はコネリー、名はショーン」こと”サー”(のちの称号)ショーン・コネリーだ。

コネリーはこの映画で、第60回アカデミー賞助演男優賞、第45回ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞した。また、日本でも第30回ブルーリボン賞外国作品賞を受賞。

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コネリーのこの映画での名セリフはいくつかあるが・・・個人的には、ネスに告げる「大事なことは毎日生きて家に帰ることだ」(笑)。

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www.youtube.com

映画「柔らかい肌」(1964)を見る(再見)。

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柔らかい肌」(1964)を見る(かつてテレビの洋画劇場で見ている「はず」)。

フランソワ・トリュフォー監督作品。公開当時はフランスでは酷評の嵐だったようだが、カメラなど随所にヒッチコック・タッチでスピーディーでスリリングな映像が見られ、隠れた名作ともいわれる。

主演は「夜の騎士道」などのジャン・ドサイ。この映画の3年後に25歳で亡くなったフランソワ―ズ・ドルレアックも出演。 

・・・

44歳の著名な文芸評論家ラシュネー(ジャン・ドサイ)は、バルザック(19世紀の小説家)の専門家で、38歳の魅力的な妻のフランカ(ネリー・ベネデッティ)、幼い娘と共にパリでメイドもいて比較的優雅な暮らしをしている。

 

しかし、ラシュネーはリスボンでの講演におもむく飛行機の中で22歳のスチュワーデスのニコル(フランソワーズ・ドルレアック)を見初め、ふたりはやがて恋仲になる。

これまで不倫の経験など一度もない、不器用で優柔不断なラシュネーだったが、次第にニコルとの情事にのめり込んでいく。妻に電話で嘘をつき、パリでニコルに再会し、週末のランスでの講演に彼女を連れて行く。

その頃、講演先に電話をかけた妻のフランカは帰宅した夫を疑い、激しくその行動をなじる。いさかいの果てに離婚のことまで口ばしった。しかし、それはピエールにとっては思うつぼだったのだ。

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その日から彼は事務所に寝とまりするようになりニコールと新しい生活をするためのアパート探しを始めた。しかしニコールはピエールの求婚を拒絶してしまった。

行き場のない孤独がピエールをつつみ、友人に相談し、妻に謝罪することにした。だがその頃、妻フランカはラシュネーが撮ったニコルの写真を見つけ、夫の情事を知る。ピエールが行きつけのレストランで新聞を読んでいる頃、そこへ向かう妻の顔には殺意がみなぎっていた。悲しみと憎しみに苛まれたフランカは、レストランで昼食をとっている夫を猟銃で射殺する。

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・・・

ラストシーンはそこまでやるかという衝撃なシーンで終わる。不倫の代償は大きかった。新聞の3面記事の実話をベースにしている。

背景は1963年ごろの話で、タイプライター、電話はコイン式、電報、飛行機の機内では、座席にはタバコの灰皿があり、タバコも認められていた時代。世界各地で、講演活動を行っている主人公だが、東京のホテルは「高輪プリンスホテル」といったセリフも登場する。

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★「投票結果」④映画投票第14弾「ショーン・コネリー作品」1位~3位!

 

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映画投票第14弾「お気に入りショーン・コネリー作品」の1位~3位はこのようになりました。

1位は、予想通りアンタッチャブル」。

2位意外にも(当然という声も)薔薇の名前」。

3位インディ―ジョーンズ/最後の聖戦

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これまで、数十回の投票の中で、点数が「80点」以上は今回が始めて(50点以上もなかったはず)。

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       「アンタッチャブル」から。

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      「薔薇の名前」より。

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  「インディー・ジョーンズ/最後の聖戦」より。

 

■今回登場した映画タイトル(順位1-31位)

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数本、未見作品があった。「ハイランダー」「理由」「リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い」「バンデットQ」「マイ・ハート・マイ・ラブ」。いかん?(笑)。

 

以上(FIN)。

 

 

★「投票結果」③(「映画投票」第14弾「お気に入りショーン・コネリー出演映画」)4位~10位。

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 2020年「映画投票」第14弾「お気に入りショーン・コネリー出演映画」もいよいよトップ10。まずは4位~10位

4位「レッド・オクトーバーを追え!」(47点、8人)と5位「007 ロシアより愛をこめて」(46点、7人)は僅差の1点差!(実は、3位も48点と鼻差だった!)

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6位は「小説家を見つけたら」が10点が2人など5人が投票し、トップ10に滑り込み。「007」シリーズが「ロシアより~」「ドクター・ノオ」と第1作・第2作と、コネリー最後のボンド映画「ネバーセイ・~」の3本がトップ10。

 

1位は「アレ」としても、2位・3位は・・・?

 

(つづく)